金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

オンラインで健康管理する日が来る

2007年10月08日 | 健康・病気

この前健康保険証が紙からカードに変わった。変わった時に臓器提供の同意に関する注意書きは付いていたが、このカード型の保険証が医療情報面でどのように活用されるのか説明はなかった。将来的には個人のカルテ等を保持することも視野に入ってるのだろうが、時間がかかりそうだ。医療データの電子化にちょっと興味を持っていたところエコノミスト誌でマイクロソフトが「健康データ金庫」Health Vaultというインターネット上の医療データ格納庫を発表したという記事が出ていた。ポイントは次の通りだ。

  • 2000年の戻るがマイクロソフトの会長スティーブ・バルマーは「将来各自がインターネット上に私的なウエッブサイトを持ち、そこにCTスキャンデータや各種テスト結果を保持しアクセスを認めた人間に情報を提供することが可能になるだろう」と述べていた。しかしシリコンバレーのIT企業がこの実現を試みたがほとんど成功しなかった。
  • 10月4日にエコノミスト誌はマイクロソフトが「健康データ金庫」というソフトウエアを発表する予定だと報道した。「健康データ金庫」は顧客の総ての健康に関する情報~テスト結果から日々の体重・血圧データまえ~を保持するだろう。個人はそのデータにインターネット経由でいつでもどこからでもアクセスすることが可能だ。これは頻繁に旅行するものにとって大変な恩恵だ。
  • 契約を締結した医療機関や病院はテスト結果をデジタルフォームで「金庫」に送ることができる。また患者はそれらの機関に個人情報に注意し制限した範囲で各種のデータにアクセスする権限を与えることができる。
  • マイクロソフトは今週数十のメーカー、病院、慈善団体が「健康データ金庫」に調印すると発表する予定だ。心臓病、糖尿病、肺疾患協会、ニューヨーク長老派教会(Presbyterian)病院、オムロン、テキサス・インスツルメントなどビッグネームがこのサービスに加盟すると発表する予定だ。
  • ところでマイクロソフトはこのサービスを契約を結ぶ個人からもベンダーや医者からも金を取らずに運営するがどうして利益を得ることができるのだろうか?マイクロソフトのノーランさんは「ビジネスモデルはターゲット・サーチに依存している」という。マイクロソフトは人々が「健康データ金庫」サーチを彼らの病気や疾患を発見するツールとして使うことに賭けている。このサービスはバーティカル・サーチという検索手法に依存している。バーティカル・サーチという検索手法はグーグルやヤフーなどのジェネラリスト型の検索よりより関係の深い項目を抽出することを目指している。
  • もしこの検索エンジンを使う人が健康に関するデータや過去の調査データを入力するならば個々人の状況にもっとも関連する回答を得ることができるだろう。しかし最初の段階でユーザーを引き付けるためにマイクロソフトは個人情報の保護を約束している。これはデータマイニングを排除していることを意味する。

この記事を読んで分かりにくいところは「マイクロソフトはどこから利益を得るのか?」という点だ。他の検索エンジンと同様にウエッブサイトのバナー広告で収入を得るということだろうか?

まあ、まもなく一般紙等でも話題になってくるだろうからその時確認しよう。

それにしてももしマイクロソフトのこの試みが成功するならば、医療の効率化の面で画期的な試みになるだろう。社会保険庁が音頭を取っている健康保険証のIC化では何時医療の効率化につながるか分からないが、マイクロソフトが大手病院や検査機関などと提携をするとはるかに手っ取り早く個人の健康診断データをリアルタイムにアップデートしながら必要な人々が共有することが可能になりそうだ。

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