金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

江戸東京たてもの園、リアルとバーチャルの散策

2013年05月03日 | まち歩き

5月3日憲法記念日晴、気温はやや低め。ワイフと自転車で小金井公園の中の「江戸東京たてもの園」に行ってみた。何回も行っている「たてもの園」に行く目的は新しく「デ・ラランデ邸」という明治43年(1910年)に建築された西洋建築が移築された、という話を聞いたからだ。

Misimatei

この家にはデ・ラランデ氏(建築家)の死後、カルピスの発明者三島海雲氏が住んでいたことがある、と案内板に書いてあった。三島氏は軍馬調達の指名を受けて、内モンゴルに渡り、そこで乳酸を知り、それが後のカルピス発明につながった(とウイキペディアで調べた)。

面白そうな人物なので伝記を読むことにした。インターネットから西東京市の図書館の資料検索(予約)に当たると3冊本が見つかったのでその内1冊を予約。

住宅の遺構というリアルの世界からネット検索というバーチャルの世界に出て、また本の伝記というリアルの世界に戻る・・・リアル・バーチャルのサーフは面白い。

「たてもの園」の中に居酒屋が寄贈されていた。

Izakaya

昭和45年頃の店の作りだ、という。品書きを見ると冷奴が60円とあった。

当時の大卒初任給は2万円位だったと聞いている。現在の初任給は20万円弱だから初任給は40数年の間に10倍に上がった訳だ。一方冷奴は飲み屋のレベルで幅があるが、150円から250円位だろうから、2.5倍から4倍程度の値上がりで止まっている。物価は長期的に安定していたのである。

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【書評】「戦略論の名著」~憲法記念日に読みたい本

2013年05月03日 | 本と雑誌

今日5月3日は憲法記念日。マスコミでは憲法改正手続きを定めた憲法96条改正に対する世論調査の結果などを報じ、この問題が当面の政策論争の要になりそうだ。96条改正の問題は憲法9条改正の前哨戦になるので、イデオロギーの問題のみならず「国防軍」という言葉に対する感覚的な拒否反応などがあり議論が喧しい。

しかし観念的な議論を展開する前に「戦争とは何か」「なぜ人は戦争をするのか」「人類の叡智は戦争を止められるのか」といった問題を少し実証的に勉強するべきではないだろうか?

そのような問題を考える上で必要最小限の知識を手軽に得ることができるのが本書「戦略論の名著」孫子、マキャベリから現代まで(野中郁次郎編著 中公新書)である。

本書は史上著名な12人の戦略家~孫子、マキャベリ、クラウゼビッツ、毛沢東、石原莞爾、リデルハートなど~の中核となっている思想を紹介している。私は原著については孫子、マキャベリ、クラウゼビッツあたりを読んだのみだったので、今日にいたる戦略論の大きな流れを理解する上で益するところが大きかった。

ところでなぜ今「戦略論」を勉強する必要があるのだろうか?本書の中から幾つかの文章を引用しよう。

・・もし平和を望むのであれば、過去の戦争を研究するべきではなかろうか。・・・まず考えるべきは、そもそも日本人にとって「戦争とは何か」ということだ。GHQの指示下・・・日本では「平和主義」というテーゼのもと、「戦争はよくない」「平和を希求すれば平和が訪れる」という考え方が教えられてきた。

・・・ほとんど(の人)は平和を望み、戦争をできれば避けたいと思っている。しかし、それでも戦争は起きることがあるのだ。・・・だとすれば、なぜ(戦争が)起こるのかを歴史から学び、現実を直視し行動することがこの難問、戦争を避ける最善の道であろう。

☆   ☆   ☆

「なぜ戦争は起きるのか」という問いに対する一つの答についてクラウゼビッツ流に説明すると「二つの集団の間に利害対立があり、自分の意志を力を持って相手に強要しようとし、相手が力を持って対向する時戦争がおきる」。戦争とは他の手段をもってする政治的交渉である。

しかしクラウゼビッツの時代と現代では兵器の面で大きな違いがある。それは核兵器の出現だ。万一超絶的な核兵器を使用すると彼我に甚大な被害を及ぼすでので核兵器は「事実上仕えない兵器」である。そして大国間の正面衝突のリスクは減り、ゲリラやテロ活動のリスクが高まっている。だがそのことは我々にとって「戦略論」を勉強することの必要性を減じるものではないだろう。

☆   ☆   ☆

本書は二十世紀の最も著名な戦略家と言われるリデルハートの項目の中で著者は次のように述べている。

戦後日本の外交・安全保障政策は、平和主義に基づく、超リデルハート流の超間接的で超リベラルな戦略を展開してきたとも解釈できる。しかし、それは蜃気楼的施策である。それには、それを可能とし、保障する「力」の裏付けが必要とされる。・・・・日本を守るには、日本人が戦う「意志」と「能力(武力)」を持ち、それを相手に「認識」させることで、敵国の攻撃や侵略の意図を粉砕する「抑止力」を発揮しなければならない

抑止力という言葉は核兵器の発達とともに領域を広げた言葉だが、実は25百年前の孫子の中にも述べられていた。

用兵の法は、其の来たらざるをたのむことなく、吾の以って待つ有ることをたのむなり」つまり平和を希求する国を武力侵攻するような邪な外国勢力は周辺に存在しないという希望的観測に依存することなく、不敗の防御態勢を構築することが国防の要だと孫子は喝破したのである。

昨今の近隣諸国の動きを見ると孫子の言葉は今なお現実味を持っているのである。

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S&P500、1600の節目まで後一歩。雇用統計を待つ。

2013年05月03日 | 金融

昨日(5月2日)米国株式市場は、失業保険の申請数が予想よりも低かったことや欧州中銀の政策金利引き下げを好感して反発した。S&P500は高値を更新したものの、1600の節目には届かず、1597.59で取引を終え、今日の雇用統計の結果を待つことになった。

先週の新規失業保険申請数は18千件減少して324千件だった。これは市場予想の345千件より低く約5年ぶりの低水準。

本日発表される非農業部門雇用者数は市場予想(WSJによる)は14.8万人(3月は8.8万人)だ。マーケットが非常に注目している非農業部門雇用者数だが、特に今月は相場の潮目を占う重要な判断基準になりそうだ。予想を上回る雇用増は、財政削減の景気に与える影響は限定的との見方で米国株を新高値圏に押し上げるが、数字が悪いとS&P500は節目を越えられずズルズルと後戻りするだろう。

つまり住宅市場の回復に牽引された景気回復とそれによる労働市場の改善が給与税増税や財政削減のマイナスを払いのけることができるかどうか?という判断がかかっている。

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