金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

「国債の反乱」で日本株大暴落

2013年05月26日 | 投資

先週木曜日(5月23日)から金曜日(5月24日)にかけては、所用と山スキーでほとんど日本株市場を見ていなかった。この間相場は大暴落。今手元のデータを見ると、日経平均は木曜日の最高値15,942.60ポイントから金曜日の最安値13,981.52ポイントまで12.3%下落した。引け値ベースでは、14,612.45ポイントまで戻したが、金曜日のシカゴ先物市場ではまた300ポイント下げている。もし仮に月曜日の日経平均の終値が14,347ポイントを切るようだと、日本株がコレクションが起きた(一般にコレクションの定義は高値から10%の下落)という見方が広がるかもしれない。

大暴落の前から日本株の動きを見ていると、金融・証券などベータ値の高い株の下落が目立っていた。これらの株は、市場動向を先取りするし、金利敏感銘柄だからだ。これを見て私は一部の銘柄を売っておいたが、この大暴落は予想できなかった。

日銀によると、金利が1%上昇すると地銀のティアワン・キャピタルの2割が毀損し、都銀のティアワン・キャピタルが1割毀損するという。また金利の上昇は、国債利払いコストの上昇を通じて財政を更に悪化させる。

先週の日本株大暴落については、その前日のバーナンキ米連銀議長の議会証言の後の質疑応答での回答やリリースされたFOMC議事録から連銀が債券購入プログラムを早期に縮小するのではないか?という懸念と中国の景気悪化が引き金となった、という見方が多い。

だが私はアベノミクスが内包する一つの自己矛盾が顕在化した、と判断している。というのは、株価上昇とインフレ期待が持続すると、金利が上昇するのは当然の帰結であり、それを抑えることは不可能だからだ。国債は日本でも反乱する時は反乱する。

うがった見方をすると、先週米連銀がQE3(債券買取プログラム)の終了時期について、市場参加者が混乱するようなメッセージを送ったのは、市場の反応を見るとともに、今後発表される経済指標(特に雇用データなど)を良く見てQE3の終了時期を見極めてくれ、という合図であった。

昔アメリカがくしゃみをすると、日本が風邪を引く、という言葉があったが、現在では連銀がくしゃみをすれば、日本の株式・債券市場が風邪を引くのである。連銀に注意、そして金利を上げずにインフレ脱却、景気浮揚するという目眩ましのような言葉にご用心である。

コメント (4)
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