金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

米国株、バーナンキ証言で下落、正常化の一歩なら良いが。

2013年05月23日 | 投資

昨日(5月22日)の米国株は、バーナンキ連銀議長の議会証言に反応して、大きく上下した。最初は債券購入プログラムが継続するとだろうという証言を受けて、株価は上昇し、ドルは下落した。しかしその後質疑応答の中でバーナンキ議長の「経済の回復が続くのであれば、今後数回の公開市場委員会の中で債券購入のペースを落とすことがありうる」との回答が株価を下落させた。

またその後公開されたFOMC議事録で、何人かのメンバーが早ければ6月18-19日のFOMCミーティングで債券購入プログラムの規模を縮小することに前向きの姿勢を示していることが明らかになった。債券購入プログラムが今年度中は継続する、という連銀のメッセージを期待していた市場参加者は失望し、株価は5月1日以降で最大の下落。一方ドルは対円で4年半ぶりの高値をつけた。

住宅市場の改善を示すニュースとしては、全米不動産協会が、4月の既存住宅の販売高は前月に較べ0.6%上昇、また前年同月に較べ9.7%上昇し、過去3年で最高レベルに達したと発表した。販売在庫期間なども市場の回復ぶりを示している。住宅市場の改善は、財政支出削減が景気に及ぼす悪影響を緩和する効果がある。

私は米国の景気回復が本格化することは、長期的には米国株式市場に良い、と思っているので、景気回復過程の中で債券購入プログラムが縮小することも当然の帰結だ、と考えている。ただし問題は来月にも酸素ボンベのバルブを締め始めるのが良いのかどうかだ。

これからしばらくの間、市場は米国の経済指標に一層注意を払いながら、ナーバスな動きを示す可能性が高い。

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