非営利法人の管理業務をやっていると発生するのが、寄付金やセミナー参加費に対する領収証の問題だ。
私は相続学会という小さな団体の事務方をまったくのボランティアで務めている。当学会では今のところ月一ペースでセミナーを実施しているが、そこで問題になるのは、「如何に効率よく領収証を発行するか?」ということだ。セミナー開講時間は予(あらかじ)め連絡しているが、大体の人が会場に現れるのは開講直前だ。聴講料はagainst paymentに設定し、徴収漏れのないようにしているので、「聴講料を受け取る=領収証を渡す」はスムーズなワンセットの動きでなくてはならない。そこで聴講予定者リストを作成し、予め領収証を作しておくのが、毎月のプロセスになっていた。
今までは「手書き」で領収証を作成していたが、今月分からは「出欠データと連動したアクセス・レポートによる自動的作成」とした。
アクセスというソフトはややプロ向けのソフトで、帳票デザインに手間がかかるのではないか?という懸念があったが結論からいうと、アクセスの「レポート機能」活用による領収書作成はそれほど手間のかかるものではなかった。
2,30人宛の領収書発行であれば「手書き」で済むのだが、100名宛の領収書でかつ「所属団体」の名前まで入れるとなると、データベースからの自動作成に軍配が上がる。
NPOなどボランティア活動を支えるのは、利他の精神であるとともに、データベースの活用技術でもある、と改めて思った。データベースの活用が、組織の運用コストの削減を大きく左右するのである。ボランティアもまた精神論で済む時代は終わったのである。