惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

上方落語と江戸落語

2015-06-28 21:15:08 | 演芸

 午前5時起床でなでしこジャパンの応援。
 危なげない試合運びで心配はしなかったのですが、点が取れない。これは延長戦になってしまうかもと思い始めた後半42分、大野選手に替わって途中から入った岩渕真奈選手がゴール前のこぼれ球を蹴り込んで決勝点! いやあ、うれしかった。

 今日のもうひとつの「見もの」は、競馬宝塚記念のゴールドシップ。同じ重賞で3連覇もあり得るかもと期待されたのに、スターティングゲートの中で立ち上がって走り出さない。やっとゲートを出た時、他の馬たちはもう数10メートル先を行ってました。
 もともとやんちゃな馬で、スタートを嫌がったりすることもあったのですが、歳をとり、このところ落ち着いてきたというのがもっぱらの評価でした。なのに、またやってしまいました。
 レースに集中せずに他のことを考えてしまう馬なんでしょうか。この先、どうなることやら。

 録画してあったNHK、ETV特集「洒落が生命 ~桂米朝“上方落語”復活の軌跡~ 」を観ました。3月に89歳で亡くなられた桂米朝師匠の落語人生を語ったドキュメンタリー。
 小学校の時から「落語小僧」だったのですねぇ。家にあった落語全集で噺を覚え、学校でやっていたとか。でも、ずっと、聴いてまわることに専念していたのが、学徒動員で入隊し、体をこわして病院生活を送っていた時に、同室の患者さんに落語を語ったところ、皆の顔色が良くなった。「落語は人を元気づける」と悟って、落語家の道に入る決心をしたと伝えていました。
 正岡容氏が登場しなかったのは、話をすっきりさせるためでしょうか。このあたりが、少し、私の知識と違っていて新鮮でした。

 上方落語復活にかけた執念が凄い。「五条の念仏差し」の正体を突き止めるエピソードを詳しく見せてくれました。あと、古い噺を書き記したノートも。

 個人的に膝を打ったのは、上方落語と江戸落語の違いを簡明に説明してくれたこと。上方落語は、神社の境内などで大勢の客を前に語ったもの。一方、江戸落語はお座敷で語ったもの。それで話の性格や語り口、人物の描き方などが違っているんですね。
 上方落語では「見台」が使われますが、あれを前に置いて語ると下半身の動きが客に伝わりません。それでどうしても、声による語りが主体になるんですね。仕草の表現が損なわれる。枝雀師匠の落語を観ると、見台なしで、腰から下の動きも見える噺の方が絶対、面白い。落語は繊細な芸能なのです。