金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

ローンの饗宴の終わり

2007年07月26日 | 金融

欧米の金融市場でクレジット・クランチの懸念からローンのプライマリー市場が急速に収縮し買収ブームが収束に向かうという観測が広がっている。英国の買収ファンド・キャンドバー社によると、今年の第二四半期に620億ユーロに達した買収ブームはピークアウトしたということだ。

投資家はリスクに比べて小さいリスクプレミアムを回避しだした。その象徴的な出来事が、昨日銀行団がクライスラーとアライアンス・ブーツの買収ローンの投資家向け販売に失敗したことだ。

ファイナンシャルタイムズ(FT)によると、銀行団はサーベラスがダイムラー社からクライスラーを買収する資金を200億ドル用意し、120億ドルを投資家向けに外売りする予定だったが、失敗して暫く在庫として抱えることになった。

英国でも小売業のブーツ社に関する買収ローンを売却する予定だったが、こちらも失敗して引受手数料を吐き出してなお損をするという状況の様だ。

銀行がリスクの高い買収ローンを投資家に売却できなくなると、新たな買収ローンの引受が出来なくなるので買収ブームが終わるという訳だ。

しかし私はこのことを健全なことだと考えている。コベナンツや返済条件をユルユルにしたCov liteローンや米国のサブプライムローンは、明らかにデッドのバブルであった。今そのバブルが弾けつつあるが、それが市場の自浄作用というものである。それがdisciplineのある金融市場というものだろう。

ただ気をつけないといけないのは、狡すからい外銀の中には市場の潮の変わり目に疎い日本人にババをつかまそうとする連中がいることだ。これから暫くはクレジットスプレッドが広がることを念頭に入れておく必要がある。当然株式市場でもクレジットが低い銘柄を中心にセルオフが激しくなるだろう。

参院選の自民党敗北も悪材料だし、しばらくは株式市場に好材料はないかもしれない。

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ハンガリーの熱射病に二度驚き

2007年07月26日 | うんちく・小ネタ

いつもの様に今朝田無から西武新宿線の急行に乗っていた時、隣の外人が読んでいる英字紙のHeatwave kills hundreds in Hungaryという見出しが目に入った。

ハンガリーなど中欧を熱波が襲い、約500人の人が熱射病で死んだという話だ。まずその死者の多さに驚く。この前の中越沖地震と比較するのも変な話だが、中越沖地震の死者数が確か10名程度だから500人の死者というのは大変な数だ。日本では「地震・雷・火事・おやじ」というが、ハンガリーでは熱波・雷・・・と言わねばなるまい。

熱波はハンガリーだけでなく、ブルガリヤ、ルーマニアなどにも広がっている。インターネットでCNNを読むと、ブルガリアでは45度という観測史上最高温を記録したと書いてあった。熱波は地球温暖化の影響だろうが、東欧で広がっている森林火災の影響もある様だ。

Heatwave killsという言い方はいかにも英語的な言い方だが、「熱波が500人を殺した」という方が「熱波で500人が死んだ」というより直截だ。

とにかくこれが驚きの一つ。次に田無に外人が増えていることにも小さな驚き。西武新宿線はマイナーな路線で外人が興味を持ちそうなスポットやアメニティはほとんどないはずだが、どういう理由でこの沿線に住んでいるか聞けたら聞いてみたいものである。

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