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金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

責任者も認めた中国の食の問題

2007年07月10日 | 国際・政治

ファイナンシャルタイムズ(FT)によると、中国の国家食品薬品監督管理局(これは正式名称)http://www.sfda.gov.cn/eng/の食品安全局(これはいい加減に訳したもの)のトップSun Xisnde氏が「中国の食材の安全性に関する問題は病気を起す可能性と社会的安全性を脅かす可能性がある」と警告を発していると報じた。もっとも当局のホームページをさっと見た限りではその様な発表はなかったので、正式見解か局長の個人的見解かは不明だ。

特に田舎では食材の安全状況は楽観できない。隠れた脅威は次第に大きくなり、食材の中の有害物質による病気が徐々に起きてくる」「食の安全に関わる事故や出来事は食品業界の健全な発展に影響を与えるだけでなく、地方経済と社会的安定にも影響を与える」とSun氏は言う。

彼のコメントは北京が食の安全性に問題があることを認めた稀な発言である。

「中国の食材の安全性の問題は食品の輸出に関してしばしば障害になり、国家の信頼とイメージを傷つけてきた。」「中国政府は輸出品に関するレピュテーションを回復するという非常に大きい仕事に面している」と彼は続けた。

繰り返しになるがこの発言が監督局の公式発表かどうかは分からない。しかし部門の責任者が中国の食材の問題を認めたことはかなり大きな影響が出るだろう。

中国で作られた食品が総て問題だとは言わない。日本や米国のきちんとした会社が中国での食品製造工程を厳密に管理している場合は問題は少ないだろう。今まで以上に食材の氏素性が大事になる訳だ。品質管理等にコストをかける様になると中国からの輸入食品価格があがることも考えられる。日本の農業や食品会社には有利な話かもしれない。

そういえばこの頃ワイフがやたらと高くて変わった名前の豆腐を買ってくるようになった。風に吹かれて豆腐屋ジョニーという名前だ。作っているところは京都の男前豆腐というところ。大豆は北海道産、にがりは沖縄の海水から作っているという。

食べてみるととろりとして、クリーミーで美味だ。

中国の食材に対する不安を追い風に、原材料にこだわった日本の高級食品が売れるだろう。風に吹かれて・・・とは良い名前を付けたものである。

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原油高騰の予兆

2007年07月10日 | 社会・経済

ファイナンシャルタイムズ(FT)によると国際エネルギー機関(IEA: The International Energy Agency)は「向こう5年間オイルの需給は極めてタイトになる。天然ガスの需給はもっとタイトだろう」という警告を発した。ポイントは以下のとおりだ。

  • オイル需要は向こう5年間年率2.2%で増加すると予想され、2012年には一日当り95.8百万バーレルに達すると推定される。
  • 一方非OPEC国の生産量は年率1%程度の割合でしか伸びないと予測される。この結果OPEC諸国は、原油の急速な増産を行う必要がある。
  • IEAは「OPECは現在の一日当り31.3百万バーレルという産出量を2012年には36.2百万バーレルまで引き上げる必要がある」と予測している。この結果現在全世界の原油需要に対して2.9%の予備能力は、1.6%にまで減少する。
  • IEAの幹部は「供給が不十分な場合、市場を均衡させる唯一の方法は原油価格を引き上げて需要を減らすことである」と述べている。

原油価格の上昇は、諸物価の上昇につながる。特に今日注意しておく必要があるのは、穀物価格だ。原油価格の上昇はエタノールの生産を促進するが、エタノールの増産は原材料のとうもろこし価格の上昇を招くからである。とうもろこしの上昇は食肉価格の上昇を招く。

個人的にはどうしようか?まず投資の観点からは、コモディティ投資をウエイトを高めておくのが手だ。無難なところではコモディティ投信などが良い。インフレの進行は金利上昇につながるので、長期の運用は変動利付の方がよさそうだ。

生活防衛の観点からは、どこかでハイブリッド車かディーゼル車に買い換えたいと考えている。しかしより良い対応方法はもっと自転車を活用することだろう。2年程前にちょっと良い自転車に買い換えて、30分程度のところは出来るだけ車を使わず自転車を使うようにしはじめた。それまでは車でスポーツジムに通い、ジムで走らない自転車を漕いでいたがどうにも馬鹿馬鹿しい感じがしていた。幸い歩いていけるところにジムが出来て今はそちらに移ったが。

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中国で新たな言論統制か?

2007年07月10日 | 国際・政治

ファイナンシャルタイムズ(FT)を見ていたら、中国で新手の言論統制出現か?と思わせる記事が出ていた。それはアモイ(Xiamen)市がブログやメッセージ・ボードに投稿する時に実名を使うように求める立法措置を考えているというものだ。

これはアモイ市で起きた110億元(14億ドル)相当のパラキシレン(ポリエステルの中間原料であるテレフタル酸の原料)工場建設に反対する大規模な抗議行動に起因するものらしい。

元々中国の中央政府はブログやメッセージ・ボードへの投稿時に実名を使うことを強制する法律の制定を考えていたが、産業界の反対や技術的な困難さからその試みを延期してきたと思われる。またFTによるとアモイ市は「インターネットを利用した組織的不法集会を禁じる立法措置」を考えており、「有害なコンテンツ」を自由に定義できるフリーハンドを手に入れようとしているということだ。

どこの国にも公(おおやけ)にされたくない不都合な真実というものはあるだろう。しかし不都合な真実が明らかにされることで社会から不正が減り、世の中は改善していく。

中国にも沢山の不都合な真実はあるだろう。公害、貪官汚吏による人民の収奪、先進国ブランドの不法コピー、人権侵害等々あげればキリがない。それらの情報が広く一般の人々に伝わると大きな騒乱が起きるかもしれない。しかし隠していると社会の汚れはますますひどくなる。

アモイ市のインターネット統制は中国が近代国家の仲間入りができるかどうかという試金石かもしれない。

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