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金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
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戦死よりも多い中国人の公害死

2007年07月03日 | 国際・政治

ファイナンシャルタイムズ(FT)を読んでいたら、「中国で公害のため毎年75万人が死んでいる」という衝撃的な記事を目にした。75万人というと人口13億人の0.058%で、日本の人口1億人に引きなおすと5万8千人に相当する。公害死の最大の原因は大気汚染という。日本の大気汚染公害で有名な四日市ゼンソクの認定患者が544名、また日本の公害の原点ともいうべき足尾銅山事件での死者・死産者の数が1,064名ということを見ると75万人という数字はにわかに信じられない数字である。

しかしこれはいい加減な数字ではなさそうだ。中国の環境保護局と世界銀行が数年にわたる共同研究の結果、把握した数字である。中国政府は世銀のレポートからこの数字を取りはずそうとしているそうだ。何故ならこの数字が発表されると社会的動揺を引き起こす可能性があるからだ。

レポートによると、中国では毎年35万人から40万人が大気汚染で、30万人が室内の劣悪な大気環境で、6万人が劣悪な水質の水で若年死している。

よく理解できないのが、室内の劣悪な大気環境というところで、FTの原文はexposure to poor air indoorsで、炭酸ガス中毒による死などを指すのだろうか? なお若年死の原文はpremature death、寿命によらない死という意味だろうが若年死とすると50歳以下位で死ぬようなイメージでちょっと違う。中々すっきりと訳語は出ないものである。

それにしても中国は経済発展も凄いが、公害死の数も半端ではない。日本と中国のいわゆる15年戦争での中国人の死亡者数ははっきりしないが、1千万人程度という推計がある。(中国側が出した最大の死者数は35百万人)

仮に15年で1千万人が日中戦争で死んだとすると1年当り67万人である。これは公害死の75万人より少ない。中国にとって公害は日本帝国より恐ろしい敵なのである。

さてこの事実を知ってあなたは中国からの輸入食品を買い続けますか?

そして中国株に運用する投信を買い続けますか? ちょっと怖くなりませんか?

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