先週末久し振りにマイカーにガソリンを入れた。たまたま空に近かったからだ。1リットル165円だった。今日近くのスタンドの看板を見ると180円になっている。ガソリン価格は一体どこでとまるのだろうか?と考えていた時、ニューヨークタイムズ(NT)にクライス油田の記事が出ていたことを思い出した。
クライス油田というのは、サウジアラビアの首都リヤドの90マイル東、砂漠の中の未採掘の大油田だ。サウジアラビアによると推定埋蔵量は270億バレル。これは米国の推定埋蔵量を上回る量だ。クライス油田の開発は進み、2009年6月からは1日120万バレルの採掘が予定されている。NTによるとサウジアラビアがこの油田に投資している資金は100億ドルで、2万8千人の建設関係の人が働いている。
だが、この油田に対して悲観的な見方をするオイルとレーダーやアナリストがいる。彼らの悲観的なビューが、オイル価格上昇に拍車をかけていることは間違いない。
NTによると、サウジアラビアはジャーナリスト団をクライス油田の開発現場に連れて行き、開発状況を説明した。ところがこの中からまた悲観的な見方が出てきた。というのはこの油田では海水をペルシャ湾からパイプラインで引き、油井に流し込んで水圧で原油を汲み出そうとしている。このやり方は採掘の進んだ油田で取り出し難くなった原油を採掘する方法なのだ。このためアナリストの中には、クライス油田について悲観的な見方をするものが出ている。一方サウジ国営の石油会社アラムコは「これは開発技術とロジスティクスの問題で、油田が原油に乏しいからではない」と反論している。
どちらの言い分が正しいかは分からないが、このクライス油田の産油量と埋蔵量に対する見方が、原油価格の動きに大きな影響力を持っているようだ。