金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

米国経済のゆくえ

2008年07月19日 | 社会・経済

先週ブログへのアクセスが30万件を越えたと書いたら、経済学を勉強されている学生さんから、私のブログを参考にしているというありがたいコメントを頂いた。私の経済に関するブログでは、マスコミが伝える個々の経済事象の底を流れる水脈に触れたいと考えている。独自にその水脈を探る場合もあるし、エコノミスト達の意見の中にその水脈を求めることもある。

多少なりとも経済に関心のある読者にお伝えしたいことは、正しい予測や意見がいつも社会で受け入れられるという保証はないということだ。例えばニューヨーク大学のエコノミスト、ノウリエル・ロウビニ氏は2年以上前に住宅バブルが崩壊して、金融危機とリセッションが起きると述べたが彼の意見は些細なことを騒ぎ立てる奴として無視されていた。今ではロウビニ氏の支持者は増えているだろうが。

ニューヨーク・タイムズによるとそのロウビニ氏は最悪の事態はまだ先にあるという。同氏は銀行の不良債権償却は2兆ドルになるのではないか?と考えている。現在のところ金融機関は3千億ドル以上の償却を行った。多くの専門家は1兆ドルかそれ以上の償却が必要と考えているが、ロウビニ氏の考えはそれを大きく上回っている。

この数字の妥当性について私は即断する材料を持っていない。しかし米国の住宅市場はまだ底に達していないと考えている。その一つの根拠は住宅の賃料と価格の関係だ。ニューヨーク・タイムズによると、1985年から2002年までの間、住宅価格は年間賃料の14倍という水準であった。ところが2006年初期には住宅価格は賃料1年分の25倍に跳ね上がった。現在この倍率は20倍まで下がっているが、まだ歴史的に見ると高い水準にあるということだ。

この賃料と住宅価格の関係を個人的な経験で考えてみると、私は1990年前半(バブル崩壊期の前半)自宅を賃貸に回していたことがある。年間賃料が180万円で、当時の物件価格相場が5,6千万円だったから倍率は30倍位ということになる。もっとも法人向けの賃貸なので家賃が世間相場より低いなどという個別事情はあるが。

話がわき道にそれてしまったが、米国で住宅価格と賃料の関係が歴史的な平均値に回帰するとすれば、まだ住宅価格は下落すると考えてよいだろう。住宅価格の下落は金融機関にとって住宅ローンの更なる償却を求められるだけでなく、消費者の破産や信用劣化が進むとそれ以外の与信についても償却負担が増えることになる。アメリカ人の家計の借金は1984年には年収の60%だったが、今では120%に拡大している。今後銀行は個人向け与信を絞らざるを得ない。

物価高が続く中で個人向け信用供与が絞られると、消費者は消費を抑制せざるを得ない。これは景気を悪化させ、また住宅価格の下落につながるという負のスパイラルが続くことになる。

こう考えると当面悲観論者ロウビニ氏の支持者が増えてもおかしくはないだろう。

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山靴を新しくした

2008年07月19日 | 

今日(7月19日土曜日)原宿の石井スポーツに登山靴を買いに行った。今履いている登山靴は11,2年前に買ったもので、一度ビブラム(底)を張り替えて使ってきた。しかしかなり型崩れして足を十分サポートしなくなったので、ついに買い換えることにした。

古い山靴には色々な思い出がある。20世紀末の日本の金融危機の頃、名古屋に単身赴任していた僕が鈴鹿の峰々を歩いたのもこの靴だし、南アルプス・仙丈ケ岳や金峰山、苗場山など幾つかの百名山に登ったのもこの靴だ。しかしモノには寿命がある。最後に感謝の気持ちをこめてきれいに拭いてやりたいと思う。

さて新しい靴である。今までは皮100%の靴を使っていたが、皮・ナイロン・ゴアテックスのミックスした靴を選んだ。

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私が登山靴を選ぶポイントを紹介しよう。まず第一のしっかりした登山道具専門店を選ぶことだ。一定規模の登山道具専門店なら間違いはないが、石井スポーツを選んだ理由はここが、元々登山靴屋だということを聞いたからだ。

次に時間が許すならば、午前中の店が空いている時に訪問するのが良い。ベテランの店員さんがじっくり相談に乗ってくれるからだ。ベテランの店員さんと出会ったなら、どのような山のどのようなルートで使うかを話した上で、足に合う靴を選んでもらう。この時山で使う靴下を持参すると良い(もちろん登山道具屋で貸してくれるが)。

ベテランの店員さんが選んでくれた靴はAkuというイタリアのメーカーのものだ。「余り名前は聞きませんね」と私が古い知識に基づいて恐る恐る質問すると、店員さんは「石井スポーツと提携しているのですよ」と答えた。なお靴の中敷きを購入して、「土踏まず」への加重のかかり具合を調整して貰った。石井スポーツでは山スキー用の登山スキー兼用靴を買ったことがるが、この時も中敷きで調整してくれた。この辺りが登山靴屋としてのこだわりかもしれない。

さてお値段は靴が定価2万7800円のところ、お得意様割引セールが使えて1割引の2万5千円。中敷きが3千円だった。2万円程度と心積もりしていたので、予算オーバーだが靴は登山で一番大切なので、お店の人の勧めに従うことにした。

もっとも新しい靴がぴったりと合うかどうかは山で履いてみないと分からない。石井スポーツは「履いてみて問題があれば来てください。調整します」と言う。皮の登山靴でないのでどれ位調整が利くのか不明だが、アフターケアも店選びのポイントであろう。

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