昨日(7月8日)オイル価格が5.33ドル(3.8%)下げた。二日連続のオイル価格下落にアナリスト達や関係者は少し戸惑っているようだ。ニューヨークタイムズを見るとアナリスト達は「ドルが強くなった」「今年最初の台風の進路がそれたので、メキシコ湾の精製基地が被害を受ける可能性がなくなった」「イランのアフマディーネジャード大統領が米国やイスラエルとの戦争の可能性を否定した」ことなどを、原油価格急低下の原因として上げている。
その中で当たっているかどうかは別として面白い見方があった。それは「現在中国ではオリンピック開催中にディーゼル・オイルやガソリン不足になることを恐れて、備蓄を進めている。しかしオリンピックが終わると中国政府は石油に対する補助金を削減し、輸入のコントロールを行う。この結果中国の原油消費は低下し、原油価格は下落する」というものだ。
この見方が正しいかどうか分からないが、このような見方でオイル高に賭けている人があるとすれば、オリンピックが終わると原油価格は少し下がるかもしれない。
米国のエネルギー情報局は、今年前半の世界の原油消費量は昨年に較べて1日当たり52万バレル増加したと発表している。アメリカなど先進国の消費は1日当たり76万バレル減少しているから、中国など発展途上国が1日当たり128万バレル消費を増やしたことになる。因みにアメリカでは21週連続でガソリンの消費が前年度を下回ったということだ。
発展途上国が石油の輸入に関する補助金を削減すると、消費者はコスト負担に耐えかねて、ガソリンなどの消費を削減するから、世界全体で石油の消費量が減る。そうすると原油価格は本当に下落するはずだ。
こう考えると「オリンピックが終わると原油価格が下がる」という予想も成り立つ。原油価格が低下すると、ドルが高くなり~トレーダー達はドルをオイルでヘッジしているそうだ~株価も上昇する。
まあ、こんな見方もある・・・という小話程度に考えておいた方が良さそうだが。