昨日(23日)のファイナンシャルタイムズに「ゴールドマン・ザックスがLBOのシニアローンに投資する100億ドルのファンドを組成している」という記事が出ていた。ゴールドマンは既にメザニンデッドに投資する200億ドルのファンドを組成しているので、ゴールドマンはかなり大きなバイアウト案件にコミットする準備ができた訳だ。
それにしても投資銀行特にゴールドマン・ザックスというのは実にタフな連中だと思う。「転んでもただでは起きない」という言葉があるが、それどころではない。転んだら金を拾うという感覚かもしれない。
昨年終わったバイアウト・ブームの時は沢山のローンをまとめてCLO(Collateralised Loan Obligations)として投資家に販売していたが、クレジット・クランチの中でこの市場は崩壊した。
クレジット・クランチは悪いことばかりではない。信用市場がユルユルだった時はCovenant-liteという財務制限条項の緩いローンや、PikつまりPayment-in-kindという金利を元加するローンが流行した。ディールが借り手有利になっていたのだ。しかし今は貸手有利に振れてきている。目端の利いた投資家にはバイアウト案件がリスク・リターンのバランスから見て有利に見えるのだろう。
ゴールドマンはそこをついて投資家の資金を集めた訳だ。実に素早い連中であるとあらためて感心する次第だ。