金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

インフォシス、最高益に株価はねる

2010年01月13日 | 株式

インドの情報アウトソース大手・インフォシスの昨年10-12月期決算はアナリストを予想を上回る市場最高の売上・利益を達成した。このことは日経新聞(13日)朝刊にも出ている。このニュースのインフォシスの株価(正確にはナスダック上場のADR)は2.82ドル(5.14%)上昇して57.65ドルになった。インフォシスの株価はこの1年で122.7%上昇した。このようにパフォーマンスの良い株だけ持っていると直ぐにお金持ちになれるのだが、そうは行かないところに投資の難しさと面白さがある。

ところで日経の記事は「米国経済の持ち直しと金融向け事業拡大が寄与」と増収増益要因を述べている。この情報から米国の企業が景気回復を先取りする形でIT投資を始めだしたことが読み取れる。

ファイナンシャル・タイムズはインフォシスのCEOのコメントを紹介しているが、これを読むとインド経済の回復ペースが速いことが分かる。

同社のCEO・Gopalakrishnan氏は「インドのIT人件費が急騰しているので、中期的には海外(インドから見て)社員を今の5%から15%に増やす計画だ」と述べている。

自動車と消費財の売上が好調なことから12月のインドの鉱工業生産は二桁台の伸びを見せた。ゴールドマンザックスのインドのチーフエコノミストは、今年の経済成長予想を5.8%から6.6%に引き上げ、更に来年は8%以上になると予想している。

金融危機後、インドの情報産業界の大部分の会社は給料を据え置いていたが、再び賃金上昇が始まりだした。インフォシスは昨年暮れに給料を8%引き上げた。競争相手も今年早々に給料引き上げを行うと見られている。また11万人の社員を抱える同社は今年3月までに2万4千人の採用を行う計画である。

8%の昇給とか2.4万人の新規採用というと、景気低迷にあえぐ日本から見ると夢のような話だが、国が伸びる時はこのようなものだろう。

アメリカの景気が回復し、アウトソースを受けるインドのIT会社が業容を拡大し、インド経済を牽引する。そしてインドの会社は更に安い賃金を求めて海外でのオペレーションを拡大する。世界の経済はこのように広がっていく。私もまた投資の地平線を拡大したいと考えている。

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