金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

フィデリティは売り、ピムコは買う期近物国債

2013年10月10日 | 金融

約1週間後に迫る米国国債がデフォルトを起こす可能性。実質的なリスクは高くないというのが、プロの判断だろうが、米国最大のマネー・マーケット投信運用会社のフィデリティは、10月下旬から11月上旬に期日を迎える米国債を保有していないことを昨日明らかにした。

フィデリティのような機関投資家の売り圧力で今月はじめにはほとんどゼロに近かった1ヶ月ものの短期国債の利回りは0.3%にまで上昇している。

このような動きの中、債券ファンドの巨人ピムコを率いるビル・グロス氏はwe're buying what Fidelity is sellingと述べ、期近物国債を保有し続ける方針を明らかにした。

もっともこのことはピムコとフィデリティの米国債デフォルトの可能性に対する見方が違うことを必ずしも意味しない。運用方針の違いはファンドの性格の違いから来る。マネー・マーケット・ファンドでは、デフォルトが起きると、直ちに当該債券の簿価下げを行う必要があり、短期資金のきわめて安全な預け先として利用している投資家に与える影響が大きいが、ピムコが運用する債券ファンドでは、ごく短期的な価格変動は吸収できると判断している訳だ。

もしあなたの資金がピムコ型であれば、ここはバタバタせずに買い場だと腹をくくるのも一つの手だろう。資産運用とは短期的な市場変動による苦痛に耐えながら、長期的なリターンを狙うゲームだから。

だがそのような苦痛には耐えられない、あるいは投資の時間的地平線はそれほど長くないと考える人にはフィデリティ型があうだろう。

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ジャネット・イエレン氏、連銀議長に指名される

2013年10月10日 | ニュース

昨日の米国の新聞では、ジャネット・イエレン氏がオバマ大統領から連銀議長に指名さたニュースがトップを飾っていた。議長就任には上院の承認が必要だが、そのハードルは高くはなさそうで、イエレン氏の議長就任は確実だろう。

ハト派として知られるイエレン氏の議長就任で、緩和的な金融政策が持続することは間違いないと思うが、米国のマスコミが注目していたのは、初めて女性の連銀議長が誕生することだ。

もし彼女が連銀議長に就任すれば、ドイツのアンゲラ・メルケル首相、IMFのクリスティーヌ・ラガルデ専務理事と並んで世界経済に最も大きな影響力を持つ3人の女性の一人になることは間違いない。また現連銀議長のバーナンキ氏は、フォーブス誌で世界に影響力を持つ100人の中で6番目に選ばれていたから、イエレン氏がトップ5に入る可能性もある。

イエレン氏の連銀議長就任は、「ガラスの天井」に一つの穴をあけることになる。日本の才能ある女性たちにとっては明るいニュースであり、それらの女性からチャレンジを受ける男性諸君には、気を引き締める必要を教えてくれるニュースである。

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