イーチ・ウエイ・ベットの仕組みについて簡単に説明しておきたい。イーチ・ウエイ・ベットとは競馬等の掛け金の仕組みで一等をはずして2,3等を当ててもそこそこの賞金が貰える仕組みである。私は競馬の類はやらないが、何故こんなことを書くかというと最近コモディティ(石油等商品)を論じたエコノミスト誌の中にイーチ・ウエイ・ベットの話が出てきて少し調べる機会があったからだ。どこかで転用するかもしれないので調べたことを自分のライブラリー=ブログに残しておきたいと思った。それで恐らくほとんどの読者にとって関心のない話題だろうが、その様な理由でエントリーしておくものだ。
なお今の世の中は便利なもので調べる気になると、英語のサイトではあるが、手頃なサイトがありそこの説明を大いに参考にさせていただいた。
さてイーチ・ウエイ・ベット Each way betは二つの賭けで構成されている。一つは「優勝者」をかけるもので、ウイン・ベットWin betと言い、もう一つは「優勝者」を当てることを外しても、2,3位などの入賞者を当てた場合何割かの優勝賞金の何割かの賞金を出すプレイス・ベットPlace betである。Placeには「入賞」という意味がある。
英国の競馬で具体例を説明するとイーチ・ウエイ・ベットの条件は次のように表示される。
掛け率Odds 25-1
イーチ・ウエイ・ベットの条件 入賞賞金/優勝賞金 1/5 入賞=1,2,3位
馬券屋Bookmakerはあなたの掛け金口座から100ポンドを掛け金としてとる。内訳はWin betに50ポンド、Place betに50ポンドだ。
さてあなたが賭けた馬が1,2,3着に入らなかった場合はどうなるか?
あなたは掛け金100ポンドを失う。それでおしまい。
あなたが賭けた馬が2着または3着に入った場合はどうなるか?
まず2着、3着の差はなく「入賞」となるということだ。しかし1着を争うWin betにあなたは負けたのでその掛け金50ドルを失う。一方「入賞」は当てたのでその配当がある。
配当は「掛け金50ポンド」×「掛け率25倍」×「入賞賞金比率1/5」=250ポンドだ
これにPlace betの掛け金の戻りがあるので、合計300ポンドが戻る。しかしWin betの掛け金50ポンドを失っているので、純利益は200ポンドとなる。
あなたの賭けた馬が優勝した場合はどうか?
Win bet分は50ポンド×25=1250ポンドだ。これに加えて掛け金の50ポンドが戻ってくる。更に「入賞」(一位は入賞でもある)分の賞金がある。これはPlace Betとして上で計算した250ポンドだ。これに加えて掛け金の50ポンドが戻ってくる。従って純利益は1500ポンドになる。
このような賭けの方法が日本で行われているのかどうか賭け事に疎い私はしらないが、検索エンジンで「イーチ・ウエイ・ベット」で調べても役に立つ答はなかったので、有名でないかもしれない。もしそうだとすると色々な賭けの方法を生み出した英国人というのは中々なものである。そしてその賭けの思考が経済活動にまで及んでいるとすると遊びごとも捨てたものではないというべきだろう。