金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

キプロス救済策、ようやく合意。大口預金のbeil inで。

2013年03月25日 | 金融

12時間近いユーロ圏17カ国の蔵相会議の後、キプロス救済策が合意に至った。ファイナンシャル・タイムズによると、キプロス第2位のライキ銀行を閉鎖し、10万ユーロを超える大口預金を「バッドバンク」に入れるというもの。つまりバッドバンクに入る42億ユーロはwipe outされる(無価値になる)のである。

1週間前の合意事項とは異なり、10万ユーロ以下の小口預金は救済され、ライキ銀行とバンクオブキプロスの大口預金がwipe outされる。これは大口預金者によるbeil inである。大口預金者がどれくらい損失を被るかはまだ計算されていないが、関係者によるとIMFが先週見積もった20%の損失を大きく超えそうだ。

この最終的な合意案は、先週IMFとドイツが主張した提案と近いものだが、IMF・ドイツの主張ではライキ銀行・バンクオブキプロスとも清算することになっていたが、キプロス政府の強い希望によりバンクオブキプロスは残すことになった。キプロスにとって銀行業は主要産業だから、最大手銀行は残すということだろうが、今回相当な損失を被る海外の大口預金者は懲りずにまたキプロスの銀行を使うのだろうか?素朴な疑問であるが。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

キプロス、大口預金者20%課税でまとまるか?

2013年03月25日 | 金融

週末にブラッセルに飛んで、トロイカ(EU、ECB、IMF)とキプロスの銀行救済策を協議したアナスタシアディス大統領。ロイターやNYTによると、大統領がキプロスの政治家達に説明した合意案は「キプロス最大の銀行・キプロス銀行の10万ユーロを超える大口預金者に20%の課税、それ以外の銀行の大口預金者に4%の課税というものだ。だがそれで議会がまとまるかどうかは分からない。

キプロスの先行き不安から今朝(25日)のシドニー市場ではユーロが対米ドルで0.2%下落した。今日までに出処はどこでもいいから58億ドルの資金捻出を示せ、というのがドイツなど債権者の主張だ。

仮にキプロスの銀行が破綻しても、金融危機が伝染するリスクは低いと判断しているが、金融市場に関わっている人には落ち着かない一日になりそうだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする