昨日(3月26日)米国でS&P500は再び史上最高値まであと2ポイントのところまで迫った。相場を引っ張ったのは、予想を上回り好調だった2月の耐久消費財受注と住宅価格の上昇だった。2月の耐久消費財受注は市場予想の3.9%を上回る5.7%(過去5ヶ月で最高)で、好調の要因は民間航空機受注の急増だった。
私がもっと注目しているのは、全米主要20都市圏でS&Pケース・シラー指数が1月に前年比8.1%上昇したことだ。一番上昇したのはフェニックスでなんと前年比23.2%の上昇だ。
ダウ・ジョーンズによると、今年の初めには多くのアナリスト達は今年の住宅価格の上昇は昨年よりも緩やかだと予想していた。(私もシラー教授のそのようなコメントをブログで紹介したことがあった)
しかし住宅在庫の減少、景気上昇、低金利の持続、投資家の高い需要などにより、強気の見方をするアナリストが増えている。
モルガン・スタンレーのエコノミストは住宅価格の上昇見通しを年初の4-6%から6-8%に引き上げた。
活況を帯びている米国住宅市場。雇用の停滞、金利の上昇、消費者信頼感の低下などのリスクは内包しているが、目下のところ在庫不足(既存住宅で担保割れから売るに売れない物件が多いことも要因の一つ)が需給を引き締めている。
住宅市場の改善は消費者信頼感の向上と消費拡大につながる。欧州に高まる不透明感を米国の住宅市場が救っているというのが昨今の状況だ。