金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

山スキーヤーは北を目指す~月山~

2010年05月18日 | 

5月16日日曜日、鳥海山登山を終えた僕達3人組は鉾立駐車場から200km離れた月山麓の姥沢小屋を目指して走り始めた。出発時間は2時頃。吹浦(ふくら)を過ぎて山形自動車道に入るところから見た鳥海山の姿が素晴らしかった。緩やかな裾野と白い頂のコントラスト、鋭くそして優雅な姿だ。写真を撮る時間がなかったのが残念。なにせこの日の宿の姥沢山荘からは5時頃には来いといわれているのだ。

ところが慌てて山形自動車道に入ってしまったので、途中でガソリン不足にヤキモキするハメになった。姥沢に入る道を通り過ごしてガソリンスタンドを探し回った始末。何とかガス欠の前にガソリンスタンドに辿り着いて事なきを得たが万一ガス欠騒動になれば月山登山はなかったかもしれない。東北のドライブでは余裕を持ってガソリンを手当てすることが肝心と改めて思った次第。

そんな小さなハプニングはあったが、午後5時には姥沢到着。姥沢小屋から雪上車でピックアップに来てくれる。歩いても10分弱なのだが荷物が多いので助かった。

Ubasawagoya

写真は翌日リフト乗り場の方から撮った姥沢小屋の全貌。

さてこの日の晩ご飯はすき焼と山菜の天婦羅。すき焼には赤い牛肉が沢山ついていた。米沢牛と信じたい。小屋は山小屋というより旅館風だ。4,5人一度に入ることができるお風呂もある。

写真は玄関の熊の剥製。剥製は良いが本物に出会うのは勘弁願いたい。

Kuma

明けて17日月曜日快晴。7時朝食、7時40分に小屋を出て10分弱雪の斜面を登ってリフト乗り場到着。8時に運転開始のリフトに乗った。8時20分リフト終点からいよいよ月山登山開始だ。月山に登るルートは大きく分けて二つある。一つは姥ケ岳につながる左手の尾根沿いに牛首を目指すルートでもう一つはカール状の広大な谷を横切り牛首と月山の間の小さなコルにでるものだ。僕は後者のルートを取り、同行のN君、K君は前者に近いルートを取った。所要時間は余り変わらないだろう。牛首の上のコルに到着したのは9時18分。

月山頂上に近づくにつれ雪の斜面の傾斜が増しやがて藪と岩混じりの道に変わる。スキーをその手前でデポしてツボ足で登った。この日の雪の硬さならアイゼンは全く必要がない。10時6分山頂の一角方位盤のあるところに到着。リフト終点から山頂までの所要時間は1時間45分だ。目の前に芭蕉の「月の峰いくつ崩れて月の山」の大きな句碑がある。

写真の右の石碑がその句碑だ。向こうの雪山は朝日連峰だ。

Asahi

芭蕉の句碑から3分程歩くと月山神社がある。ここが最高点(1984m)だが以前登っているので今回は割愛した。兼用靴と足の馴染みが悪く靴擦れができて痛くて仕方がないのでゴツゴツした岩の道は敬遠した次第。写真は月山山頂。建物は月山神社だ。

Gassanpeak

さてスキーデポ地点からは大滑降が待っている。牛首のコル付近まで先に降り、N君とK君の滑降姿を写真に撮った。

Gassanski1

中央の雪の斜面の上部の黒い点が滑り始めたN君。

Gassanski2

1分程でここまで降ってきた。カレー屋さんを経営するN君の滑りは華麗という訳ではないが力強く粘っこい・・・つまり山屋さんのスキーだ。とにかく彼はタフで登り降りとも滅法早い。

Gassanski3

次に滑ってきたのはシステムエンジニアのK君。慎重だけれど緩斜面を滑る姿は写真になった。

ここからできるだけ稜線沿いに姥ケ岳を目指す。高度を保つ方がリフト終点へ向けて豪快な滑りが楽しめるからだ。

リフト終点からは滑り荒らされた斜面を一息に下るのみである。やや傾斜のある谷底をパラレルターンの連続で滑り切ると11時40分にリフト乗り場に到着した。月山往復の所要時間は3時間40分(リフトに乗ってから滑り降りてくるまでの時間)だった。

Ubagatake

写真は姥沢から見た姥ケ岳。雪また雪の世界である。

午後1時過ぎに姥沢を出た僕達は交通渋滞に会うこともなく6時20分頃には田無の自宅に戻ることができた。走行距離は約1,150km。

思えば雪を求めて随分遠くまで遊びに行ったものである。

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ページアクセス100万件を超える

2010年05月18日 | ブログ

少し前に私のブログのページアクセス数が100万件を越えました(OCNのブログ人のカウンタによる)。日頃ご愛読ありがとうございます。アクセス数を増やすことは目的ではなく、書きたいことを書き、読んで頂ける人に読んで頂くことを目的としてきたブログですが、100万件という大台はさすがにうれしいですね。

本当にご愛読ありがとうございました。

北の旅人

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マルクからドラクマになったユーロ

2010年05月18日 | 金融

週末から月曜日にかけて山スキー三昧で過ごした。幸い絶好の天気に恵まれたが、市場の方は大荒れだった。ユーロは月曜日にドルに対して2006年4月以来の安値を着けた。ユーロはドルに対し今年14%下落した。

FTはユーロ急落の理由の一つとして「先週欧州中銀は165億ドルのユーロ圏諸国の国債を購入していると発表したが、その金額がアナリストの予想の最下限だったので、市場は国債安定化には不十分としてユーロが売られた」ことをあげている。確かに表面的にはそうだろう。だが欧州中銀がもっと多額の国債を購入するとユーロは信任を得られるのか?というとそうではあるまい。そうすると欧州中銀の信任が揺らぐからだ。

むしろFTが紹介していたHSBCの為替ストラテジストNloom氏の「この欧州危機の前まで投資家はユーロをドイツマルクが変装したものだと思っていたが、今や人々はユーロはギリシアのドラクマが変装したものだと考えているように見える」という言葉の方が示唆に富んでいるだろう。

ブルンバーグはコラムニスト・Hassett氏の見解を紹介していた。要旨は「今回の7,500億ユーロの救済策は、長編悲劇の第一幕の終わりに過ぎない。救いようもないほど破綻状態にある債務国(つまりギリシアなど)の債務を、別の救いようもないほど財政破綻した別の国が引き受けるという話。主要先進国が共同で財政規律を強めない限りハッピーエンドはない」ということだ。つまり欧州が一体となって財政規律を回復しないとユーロのドラクマ化は止まらないということだろう。

ところでユーロ安が中国に深刻な影響を与えていることについては海外メディアや今日の日経新聞朝刊が報じていた。

日経によると中国商務省の姚堅報道官は「人民元相場は対ユーロで年初来14.5%上昇し、中国の貿易産業は巨大なコスト上昇の圧力を受けている」ということだ。

ニューヨーク・タイムズによると「中国の政治家は先月初めに人民元をドルペグから切り離すことで大まかな合意に達していたが、ユーロの急落で困難になった」ということだ。今人民元のドルペグを止めると人民元は対ユーロで更に上昇するからだ。

ところでタイムズは中国貿易に関してもう一つのリスクを指摘している。それは貿易金融のパイプが締められるリスクだ。タイムズは「昨年初めに中国の輸出が急減した理由は、先進国の需要減少ではなく、中国の銀行と外銀の貿易ファイナンスが一時的に枯渇したことだ」と述べている。中国の輸出業者は輸出について信用状に依存するところが極めて大きいので、信用状がないと輸出が進まない。もし欧州の銀行が国債危機の影響で資金調達が困難になる~すでにLIBOR金利の上昇がこのことを示唆しているが~と、信用状の発行を絞る可能性が高い。そうなると中国からの輸出が再び急減する可能性がある。

中国のリスクは貿易の問題だけではない。FTによると月曜日の中国メディアは国家友展和改革委員会は不動産価格の上昇を押さえ込むためもっと強力な手段を検討していると報じた。これが中国株の急落につなっがた。市場が恐れているのは、政府が考えている金利引き上げと不動産保有税の導入だ。

話がユーロから中国に移ってしまったが、今米国には好調な企業業績を中心に比較的明るい材料が増えている一方、ユーロ圏と中国では色々と問題が出てくる・・・と思われる。

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山スキーヤーは北を目指す~鳥海山~

2010年05月18日 | 

僕の5月は忙しい。残雪を求めて山へ行くからだ。今回は15日(土曜日)の朝から大学山岳部の後輩N君とK君の3人で鳥海山と月山に行った。土曜日6時30分に中央線東小金井駅に集合し、僕の車で山形県の酒田を目指した。鳥海山の日本海側の登り口鉾立に到着したのは午後3時過ぎ。この日は鉾立山荘に泊まった。鉾立山荘は管理人さんのいる自炊小屋だ。電気・ガス・寝具の完備した良い小屋だ。写真は鉾立の駐車場だ。

庄内平野の北辺に大きくそびえる鳥海山には四方から登山ルートがある。鳥海ブルーラインを使って標高1158mまでアプローチすることができる鉾立ルートは夏山登山のメインルートだ。ただし長い火口壁をたどる最後の登りはスキーが使えないのでスキー登山ルートしては祓川ルートの方が良い。祓川ルートの問題は東京方面からのアプローチの悪さだ。今回はアプローチを優先して鉾立ルートを選んだ次第である。

Hokodate

16日日曜日晴一時曇から快晴

5時10分鉾立出発。まず展望台に登る。正面にギザギザした鳥海山の山頂(新山)が見える。登山ルートは右端から中央部まで火口壁を縦走することになる。

Choukaisan

登り出して約1時間半。賽の河原付近に到着。御浜小屋へ向かうルートを示す赤旗が純白の斜面に点々とつながる。その旗を左に見ながら7時17分御浜小屋到着。

御浜小屋から扇子森という小さな丘を越えて、七五三掛に向かう。夏道はここから火口壁をトラバース気味に下って千蛇谷に入るが、今は夏道は完全に雪の下でこのルートは通れない。文殊岳の手前でスキーをデポをする。写真は七五三掛にシールで登る仲間の姿だ。

Obama

文殊岳から伏拝岳への急斜面でアイゼンをつけた。この時期に鉾立ルートから登頂するには本格的なアイゼンが必要だろう(本当に必要なところは一箇所だけなのだが)。

10時45分頂上。約5時間半かかって頂上(七高山)についた。ここは外輪山の最高点で一番高い新山(2236m)より7m程低い。ただし新山は雪の谷を隔てているのでここを今回の最高到達点とした。

頂上から北側を見ると祓川ルートを登ってくる多くの山スキーヤーが見える。頂上までシールで登り、一枚バーンを一気に滑降できる祓川ルートは素晴らしそうだ。何時かここを滑る日があるだろうか・・・・

Haraigawa

写真は荒々しい鳥海山山頂(七高山)

Choukaisannchou

僕の新しいスキー・エラン

Ski

スキーをデポしたところで僕の新しいスキーの写真を一枚。板はエランでビンディングはダイナフィットだ。この組合せは今考えられる中で一番軽い組合せだ。

この新しい道具でザラメの大斜面に突入すると、あっという間に賽の河原の下まで下ってしまった。夏道の横(北側)を滑ることができるところまで滑って(ただし右手は奈曽川が断崖となっているので視界が悪い時は止めた方が良い)

最後はスキーを脱ぎ、雪解けでグチャグチャになった夏道を歩いて鉾立に戻った(到着2時半~後日修正の可能性あり)

ここから120km車を飛ばして月山へ向かう。心は月山に飛んでいる。写真は鳥海山の上から取った虹の下の月山だ。

Rainbow

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