金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

【数字は語る】ギリシア109位、日本の15位のビジネス環境

2010年05月24日 | うんちく・小ネタ

ギリシアに端を発するユーロ圏の混乱が続いている。欧州連合とIMFが救済パッケージを発表しても中々投資家の不安は消えないようだ。その一つの理由をニューヨーク・タイムズの中で見つけた。それはギリシア109位、日本15位というある分野でのランキングだ。何のランキングかというと世界銀行が発表している「事業を行うことの容易さ」のランキングである。1位はシンガポールで、2位ニュージーランド、3位香港、4位米国と続く。ギリシアは何と109位で、エジプト、エチオピアの直ぐ下だ。つまりファイナンス面の支援を受けても、ビジネス環境を整備しないとギリシア経済を軌道に乗せる道筋は見えてこない。

ギリシアはアングラ経済が大きくタイムズによると、表の経済の2,3割に達するという。また公務員の数が全国民の1割近いという記事を読んだことがある。公的支出はコストベースでGDPに計上されるから、ギリシアの一人当たりGDPが3万ドル近いといっても、かなり水脹れしているようだ。にも拘らずユーロのメンバーであるから、トルコなど近隣国に較べると相対的に高い為替レートで観光ビジネスなどを競うからギリシアは楽ではない。

ところで世銀のランキング表を見ていくと日本もある分野で世界ランク91位と好ましからざるランキングが着いていた。それはStarting a business(新規事業の開始)のランキング。この分野の1位はニュージーランドで2位はカナダ、3位はオーストラリアである。もう少し世銀の表を見ていくと日本が1位のものがあった。それは何とClosing a business(廃業する)という項目だ。

世銀の調査はギリシアが一人当たりGDPで見るより実態はもっと貧しい国だということをあぶりだす。新規ビジネスのスタートは大変だが、廃業は世界一簡単という調査結果は日本の何をあぶりだしているのだろうか?

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スマートフォン(XPERIA)のヘルプデスク、混んでました!

2010年05月24日 | デジタル・インターネット

昨日(5月24日)日曜日、朝からドコモのXPERIAヘルプデスクに電話を架けていたのですが繋がったのは40分以上経ってからでした。その間何をしていたか、ですか?電話をスピーカーフォンに切り替えてパソコンと碁を打っていました。「スマートフォンに保存したファイルが開かないのでどうするか?」という類の質問を3つばかりするつもりでしたが、ランチに出かける前に漸く電話が繋がりました。結果半分位疑問は解決、残り半分は今後の課題・・・ということになりました。

パソコンや通信デバイス関係で過去にベンダーに電話照会をしたことは何度かありますが、これ程待たされることはありませんでした。ドコモさんのことだからヘルプデスクの体制にぬかりはないと思いたいのですが、40分待ちとはかなり辛いものがあります。

そこでどうしてこのようなことが起きるのか?を推測してみました。

【スマートフォンは電話・携帯にまたがる複雑な道具である】

まず第一にスマートフォンというのは、パソコンと携帯電話やカメラが融合した非常に複雑な道具であるということです。例えば通信手段として普通は携帯電話の通信規格である「3G通信」を使いますが、無線LAN通信手段であるWiFi(ワイファイ)を使うことも可能です。Mediascapeから音楽アルバムにアクセスするには、WiFi接続が必要になります。話が細かくなりましたが、スマートフォンはパソコンと携帯電話の融合商品ですから、単純に考えても個別商品の倍の質問数があるはずです。実際には携帯・パソコン双方にまたがる機能がありますから、質問の数はもっと多くなります。またXPERAのある種の機能はパソコンと連動して使うことを前提としていますから、パソコンとの接続やファイル操作という質問も想定されます。

【使われるアプリケーションがもの凄く多い】

次にオープンなプラットフォーム(OS)であるアンドロイドの上で動くアプリケーションはもの凄く多いのです。音楽ソフト、静止画ソフト、動画ソフト、地図ソフト・・・・その上に有償・無償のソフトを幾らでもダウンロードできるのでもの凄い数のアプリケーションがXPERIAの中に入っている可能性があります。それらのアプリの中には色々な理由で上手く作動しないものが存在するでしょう。それらの質問がヘルプデスクに飛び込んでくるとデスクが大混雑することは明らかです。

【一度電話にたどり着いたら離さない】

これは推測なのですが、中々電話が繋がらないとなると運良く電話が繋がった場合「あれもこれも」と質問が重なることが想定されます(いつでも簡単に繋がれば1回1問でまた次、ということになる)。そうすると益々電話が塞がり繋がらないという悪循環が繰り返されるでしょう。

【取扱説明書だけではとても対応できない】

12cm四方約200ページの取扱説明書がついていますが、これだけでXPERIAを使いこなすことができる人は余程デバイスに詳しい人でしょう。パソコンで作成したPDFをメールでスマートフォンに送りそのメモリーに保存するということができます。ただしどこに保存されたか?は取扱説明書を見ても分かりませんでした。そこでインターネットで検索して「先人の知恵」を拝借する訳です(OfficeSuiteという一種のファイルマネージャーがこれでメディアカードのフォルダーを参照できます)。そしてインターネットの情報やヘルプデスクの質問集(FAQ)で解決しない時、電話をかけることになります。

ところでこのように色々な質問に的確に回答できるスキルのある人というのは少ないのでしょうね。だから簡単にヘルプデスクを増員できないのではないか・・とも推測しています。もしXPERIAのヘルプデスクが務まる人ならパソコン・携帯・通信に相当詳しい人だと思いますから僕の会社で採用したいと考える位です。ホント。

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【イディオム・シリーズ】Play a waiting game

2010年05月24日 | 英語

Waiting gameとは「待機戦術、根競べ」である。ファイナンシャル・タイムズにMedia play the waiting game over iPadという記事が出ていた。

「メディアはiPadについて待機戦術を取っている」という意味だ。何を待っているかというとiPadで閲覧する新聞や雑誌のアプリケーションの開発を、である。

アップルのiPadは米国での販売が好調だったため、海外での売り出しが遅れていたが、今週から販売を開始する。米国でiPadの販売にあわせてメディア会社は、iPad閲覧用のアプリケーションを開発したが、開発費をカバーする収入を得ている企業はほとんどない。そこでGuardian紙などウエッブ上で出版を行っている人気新聞はiPadアプリケーションの開発について様子見をしている。

☆   ☆   ☆

タブレット型コンピュータではないが、スマートフォンについても専用アプリケーションを開発しているメディアとそうでないメディアがある。例えばファイナンシャル・タイムズやニューヨーク・タイムズはスマートフォン専用版を開発しているが、エコノミスト誌は専用版を開発していない(少なくとも私が見たンドロイド版についてだが)。

専用版で記事を読むと上下にロールするだけなので、サクサク行くが通常のPC版をスマートフォンで読むと上下左右にロールしないといけないので読みにくい。恐らくiPad専用アプリが開発されるまではこのような読み難さが続くということだろう。

今スマートフォンやタブレット型コンピュータは急拡大している市場だ。アップル、グーグル、マイクロソフト、アマゾンなどが覇権を競い合っている。これに付き合わされるメディアも大変だ。だが確実なことは新聞や雑誌の電子的閲覧は欧米では後戻りすることのできないところまで来ているということだ。待機作戦が功を奏するかどうかは分からないかもしれない。

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