金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

緊張高まる朝鮮半島

2010年05月20日 | 政治

昨日韓国が「哨戒艦天安は北朝鮮の魚雷で沈没した」と発表するという報道が流れた後、会社の人々から「戦争になるのでしょうか?」と質問を受けた。答は当然「そんなことはないよ」というものだ。今のところ韓国や米国が北朝鮮に対して武力行使を行うことは選択肢に入っていないからだ。

だが今考えると偶発的な武力衝突が起きる可能性はゼロではないと思われる。

今日韓国が北朝鮮の魚雷攻撃を正式に発表した直ぐ後、米国は韓国を強くサポートすると発表した。これに対する北朝鮮の反応は「もし韓国が国際的な制裁圧力をかけるなら戦争を含む強い対抗策を取る」と脅しにでるものだった。

韓国はこれから国連安全保障委員会の制裁決議を求めることになるが、一番の懸念は中国の出方である。昨年北朝鮮が原爆実験を強行した後、中国は国連非難決議を支持したが、3月26日に天安が沈没した後は非常に慎重な態度を取っている。

ニューヨーク・タイムズはブッシュ政権で北朝鮮政策を担当した Victor Cha氏の「中国は常に北か南かを選択することを避けてきた。しかし今回明らかな証拠が出たので選択をせざるを得ないだろう」という言葉を紹介している。

またCha氏は「韓国は経済制裁に加えて武力示威のため沿海部で海軍演習を行うだろう。そして多分米軍も参加して潜水艦に対する演習を集中的に行うことになるだろう」と述べている。

私が偶発的な武力衝突が起きる可能性はゼロとはしないという根拠はこのような演習の中で偶発的な遭遇があるかもしれない・・・ということである。

もっともそのような可能性は極めて低く、大きな関心事はこれから米国が中国に送る200人にも登る外交団が中国政府とどのような話をするかという点だ。この外交団はイラン制裁、人民元問題、地球温暖化問題等多くのテーマについて意見を交換することが当初の目的だったが、北朝鮮の魚雷問題を避けては通れないからだ。

☆    ☆    ☆

ところで北朝鮮のような無法国家が何故生き延びているのか?という問題を考える時、我々は日本の社会党(今の民主党)が「朝鮮労働党の唯一の友党」として北朝鮮を支援していたことに思い至る。

例えば1989年の社会党(当時)の国会議員達が、韓国に収監されている政治犯29名の釈放を求める要望書を提出した。その29名の中には日本人調理師を拉致した辛光洙容疑者も入っていた(辛容疑者は10年後にミレニアム恩赦され北朝鮮に送還され切手にまでなった)

余談だがこの要望書に署名した中に千葉景子法務大臣がいる(千葉氏は97年に社会党を離党し民主党にくら替え)。

やや細かい話を紹介したが、我々は日本の北朝鮮対策を考える時、現在の鳩山政権は非常にshakyな構成メンバーを抱えていることに留意しておいた方が良いだろう。

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