今日の昼頃、韓国の聨合ニュースは「北朝鮮の金正日総書記が解放軍と予備兵力に戦闘準備をするように伝えた」と報じた。これを受けて韓国株やウオンは急落。日本株も300円程下げた。米韓と北朝鮮の武力衝突は避けて欲しいところだが、予想外の衝突が起きる可能性が出てきた。
ところで「北朝鮮はどういう狙いで天安を沈めたのか?」というのはお昼休みなどの話題に上っていることだろう。もっとも推測の域を出ない話なので長続きはしないだろうが・・・。私は米国のシンクタンク等がもっと確定的な見解を持っているか調べてみたが今のところ公表している限りではゲスワークの域を出ないようだ。
そんな中でファイナンシャルタイムズは7つの仮説を示していた。お昼の話題が少し盛り上がるようにご紹介したい。
【報復説】
昨年11月に黄海沖で韓国・北朝鮮の船が遭遇。銃撃戦で北朝鮮が被害を受けた。その報復とする説で韓国の諜報部は報復が北朝鮮の主な動機だと述べている。
【権力承継説】
金正日が権力を三男・金正雲にスムーズに承継させるべく、宣伝活動に使ったという説。北朝鮮に情報源を持つ市民グループは北朝鮮のある海軍基地で天安沈没を金正運の手柄と讃える祝賀会が行われたと述べている。
【内部権力闘争説】
何人かのアナリストは魚雷攻撃は一人の不法な司令官の仕業で、権力承継が本格化する中、恐らく恩を売る目的で動いたと考えている。しかし主流派のアナリストは金正日の許可なしには不可能であると考えている。
【強硬路線への回帰説】
何人かの学者は次のように主張している。「金正日は去年まで、市場と通貨の改革を主張するより進歩的なグループのアドバイスに耳を傾けていた。しかしそれが逆効果になったことで彼は暗殺や潜水艦攻撃を主張する冷戦時代のイデオロギー信奉者の意見を聞くしか選択肢がなくなった。」 ソウルのスパイ機関は北朝鮮から亡命した高官暗殺を狙う暗殺者を拘束している。
【指揮系統破綻説】
一番悩ましいことだが、金正日がもはや完全な指揮権を持っていないという仮説だ。その理由は脳梗塞の影響よる可能性が高い。司令官達の競い合いの結果かあるいは金正日の拙い判断の結果、天安攻撃が行われたという仮説だ。
【内政不満紛らわし説】
韓国軍諜報部は北朝鮮は飢えと経済政策失敗に対する国民の不満を紛らわすため、天安沈没を狙ったと主張している。しかし北朝鮮は公式には天安攻撃を否定している。
【G20サミット妨害説】
北朝鮮は韓国がオリンピックやワールドカップなど国際的な晴れ舞台で活躍しそうになると妨害を試みてきたので今回もその狙いがあるという説
なおタイムズには紹介されていなかったが、武器輸出のため魚雷の性能を誇示したという説もある。
さあ、どれが本当の理由なのだろう。そしてそれは何時か明らかになる時はあるのだろうか?