金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

結局規制は混乱を高めただけだった・・・

2010年05月21日 | 金融

5月21日金曜日、海外の株式市場の急落を引き継いで日経平均も250円程下げて荒れた一週間が終わった。ユーロ市場の混乱を加速させたのは、今秋ドイツが発表したユーロ圏の国債と幾つかの金融機関のネイキッド・ショートセリングの規制だ。ショートセリングは空売りのことだが、通常の空売りは空売りする玉を借りてから空売りするが、玉を手当てする前に売りポジションを作ることをネイキッド・ショートセリングという。ところがこの空売り規制が裏目に出てユーロそのものが激しく売られた。

エコノミスト誌は「ドイツの空売り規制は、投資家達に保有する債券のヘッジをすることが困難になり規制はますます厳しくなるのでユーロ圏の資産に対する移り気を高めただけと見える」と評価を下している。同誌は「欧州が面している問題は国債に対する投機的な空売りではなく、そもそも投資家が国債を敬遠していることであり、国債を購入する市場を非難することは実に奇妙な政策だ」と喝破している。

投資家が欧州資産を敬遠している例として、欧州に3千億ドルから5千億ドルの資金を供給していた米国のマネーマーケットファンドがエクスポージャーを絞り出していることをエコノミスト誌は紹介していた。このような資金パイプの縮小がLIBOR金利を押し上げ始めている。

米国ではオバマ大統領が任命した最初の連銀理事のダニエル・タルーロ氏が「最悪の場合は2008年のリーマンショックのような金融市場の凍結が起きる可能性があった・・・・米国の状況は欧州とは極めて異なるが、米国を含めていかなる国もタイムリーに持続可能な財政プログラムを確立させる必要がある」と上院で証言した。

そうまさにこれは他人事ではない。このまま行くと数年後の日本に起こりうる話である。

ところで今回のギリシア危機で明らかになったことの一つは「信用リスクが高まると小さい国の国債は外国の投資家に売りにくくなる」という事実だ。ユーロ圏内の国に実質的なデフォルトリスクが極めて少ないと投資家が信じていた時は、投資家はユーロ圏の国債全体をベンチマークとしていたのでギリシアなどの国債も購入していた。ところがデフォルトリスクが高まって来るとファンドマネージャーは「それらの国債を保有してデフォルトした時の評判リスクを恐れて小さな国の国債を敬遠する」ことをエコノミスト誌は指摘していた。つまりベンチマークに占めるポルトガル国債などのウエイトは低いのでトータルリターンには余り影響を与えないのに対し、持っているリスクの方が高いということだ。

このような事態が続くとすると小国は独自で起債することがますます難しくなる。欧州の債券市場が安定するのはかなり先のようだ。

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僕がスマートフォンを買った理由

2010年05月21日 | デジタル・インターネット

昨日携帯電話からスマートフォンに買い換えた。買った機種はドコモのXPERIA http://www.sonyericsson.co.jp/product/docomo/so-01b/index.htmlだ。これはソニー・エリクソン製でOSはグーグルのアンドロイドである。日本でスマートフォンというとiPhoneが代表的だったが、最近はアンドロイドをOSとするスマートフォンが急速に伸びている。

ところでスマートフォンとは何か?というと「電話機能がついた手のひらPC」ということになるだろう。小さい端末の中に色々楽しいものがテンコ盛りになっているのがスマートフォンだといえる。大きく分けるとビジネス指向が強いものとパーソナルユース指向が強いものに分けられると思う。マイクロソフトモバイルの上でワードなどが使えるスマートフォンはビジネス指向が強いと思われる。これに較べてアンドロイド系はパーソナルユース指向が強いのではないか?と私は考えている。

さて何故僕がスマートフォンを買おう(正確に言うと今までの携帯から乗り換える)と思ったかというと、「GPS機能を活用したい。特にGPSロガーのような使い方をしたい」と思ったからだ。GPSロガーとはGPSのログつまりどこからどこまで移動したか?などを記録する仕掛けだ。これがあると山登りやサイクリングの記録をより素早くかつ正確に作ることができるのだ。またGPS機能と詳細な地図があると吹雪の中でもルートを特定することが可能だ。

ところがGPS専用機は高いものは10万円程する。そこでとりあえず~だって今までGPSなしに何十年と山に登っていたのだから~、スマートフォンのGPS機能と無料ソフトで間に合わせることにした。

世の中には同じようなことを考える人が多いようで、フリーソフトでMy tracksという優れたGPSソフトがある。これとグーグルマップを組み合わせると移動記録を簡単にグーグルの地図の上に表示することができる。朝の通勤電車の中でMy tracksを起動したところ、移動速度・移動距離・標高までリアルタイムに表示するという優れものだ。アメリカ産のソフトだがほとんど違和感なく使用できた。因みにMy tracksはAndroidマーケットから簡単にダウンロードできる。

今度の週末はスマートフォンを持って多摩地区をサイクリングしてみよう。

スマートフォンには電話・電子メール・インターネット閲覧機能は当然として「音楽のダウンロード・再生」とか「カメラ」機能がついている。つまりこれ一台あれば音楽を聴きながらサイクリングして写真を撮りGPSで記録を残すというメチャクチャな優れものなのだが、泣き所は電池の持ちが悪いというところだ。My tracksのヘルプを見ると5時間程度で電池が切れるだろうという説明だった。写真を撮ったりしているともっと早く電池がなくなりそうだ。

ところで万能なスマートフォンだが、電話と携帯の機能だけに限ると「ガラパゴス化した」日本の携帯電話にはかなわない。また「おさいふ携帯」機能もないしワンセグもない(auにはワンセグ付のスマートフォンもあるようだが)。どちらもほとんど使っていないがないとなると寂しいものですね。

また少し変なところをさわると見たこともない国の言語に変わり~つまり言語設定でその国を間違って選んだだけの話なのだが~ドギマギしたこともある。こんな場合はパソコンでドコモのヘルプを見て対応する(同じようなことをする人が多いのですね)。

今のところスマートフォンはガジェット好きな人間向きのおもちゃかもしれない。余り機械に強くない僕はGPS機能に期待を抱きながら多少の不安も感じているのである。

コメント (1)
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