金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

ブッシュの酔っ払い発言

2008年07月26日 | 国際・政治

読者の方から次のようなメールが来ました。you tubeをみていたら、「WALL street got drunk」というタイトルで、先週金曜日、ヒューストンにおけるブッシュ大統領のスピーチが投稿されていました。「ウォール街が酔っ払って二日酔いでしらふになる」とは何をさしているのでしょうかご教示ください。聴衆のなかからは笑いが起きていました。you tubeには、大統領が酔っ払っているスピーチの投稿もあり妙に感心しました。

私の理解しているところでご説明します。

1.このスピーチは共和党の資金集めのパーティ(関係者以外立ち入り禁止)で、ブッシュ大統領が行ったもので「ウオールストリートは酒を飲んで酔っ払っている」「問題は何時二日酔いから醒めるかということと再び思いつきの金融商品に手を染めないかということだ」というのが趣旨です。

2.ウオールストリートは米国の証券業界のことです。ブッシュ大統領の話の意味は「米国の証券業界はサブプライムローンを証券化して、大儲けをして馬鹿騒ぎしていて酔っ払ったようによれよれだ。問題は何時しらふになるかということと、再びサブプライムローンのような気まぐれな商品を取り扱わないかどうかということだ」ということです。

3.この話の少し前米国ではインディマックという地銀が倒産して預金取付け騒ぎがありました。これに対しブッシュ大統領は「米国の金融界はしっかりしている。慌てて預金を引き出しに行く必要はない」という趣旨の演説をしました。

4.ところが身内だけのパーティでは反対のことを言ったので、話題になりました。またブッシュ大統領は昔アルコール中毒でした(今はあまりお酒は飲まないと思います)。また米国の住宅公社問題などは大統領にも責任があると考えている人も多いと思います。

そんなこんなで「酔っ払っていたのは証券業界だけでなく、あんた(ブッシュ)達も酔っ払っていたのじゃないの?」と意見もありそうですね。「酔っ払いのあんたにだけは言われたくない」という苦笑いが聞こえそうですね。

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ピクセルよりもセンサーなのだが

2008年07月25日 | 写真

ニューヨーク・タイムズ(NT)がシグマが出したDP1というデジカメに批評を加えていた。NTが面白いのは、一般紙でありながらデジカメについてかなり詳しい批判を加えていることだ。このこだわりがNTを価値あるペーパーにしている。

さてシグマのDP1だが、このカメラはコンパクトカメラでありながら、一眼レフ並みのセンサーを搭載した世界最初のカメラである。センサー(CDD、CMOSなど)はカメラのレンズから入った光を電荷に変換して、それをデジタルデータに変えている。画像をデジタルデータで表すためには、画像を細かく分割し(その分割した領域を画素という)、一つの領域を一つの色で表す必要がある。従って画素数が多いほどキメの細かい画像が得られることになる。

ところが画素数(ピクセル)が多ければ多いほど良いかというとそうではない。例えば今私が使っているラップトップ型のパソコンの画面は192万画素である。(パソコンのコントロール・パネルを開き、「画面」をクリックすると1200×1600ドットという表示がある。ドットは点で1200×1600=192万の点があるということだ)

このパソコンで写真を見る場合、192万ピクセル以上のカメラで写真を撮っても違いはでないということだ。同じことは紙に写真をプリントする場合もいえる。カメラメーカーは1千万画素のカメラなどという様に画素数の多さを宣伝文句にするが、使用目的からいうとオーバースペックのことが多いだろう。

むしろ画像の質を決めるのはセンサーの大きさである。センサーが大きいと銀塩カメラのように明暗差の大きい景色を白トビすることなく、写すことができる。一般にコンパクトカメラのセンサーはデジタル一眼レフの1/10位なのでどうしても画質に限界があった。

NTは何故今までカメラメーカーがコンパクトカメラに大きなセンサーを搭載させなかったか?ということについて幾つかの理由を挙げる。一つはセンサーは高額なので大きなセンサーを搭載するとカメラが高くなるということだ。(DP1は8万円位)

次にカメラメーカーは長年「ピクセル数が大事だ」と言ってきたが、「センサーの大きさが重要だ」と主張を変える必要があるということだ。3番目はデジタル一眼レフとの兼ね合いである。一眼レフ並みの画質を持つコンパクトカメラを売り出すと一眼レフはどうなるのか?ということだ。

私はこのDP1というカメラを触ったことがないので、NTやメーカーのHPあるいはカメラの専門家のブログの評価を参考にしているが、中々ユニークというか一般受けしないカメラのようだ。

まず「レンズが単焦点」ということだ。つまりズームがない。NTはこれがDeal killerという。つまりズームがないと一般の消費者は買わないということだ。またこのカメラが全般に遅いらしい。スイッチを入れてからの立ち上がり、焦点が合う時間そして1枚撮って次の写真が撮れるまでの時間。なんとJPEGで2秒、RAWになると7秒もかかるということだ。

その他NTは次々と欠点を指摘する。「ビューファインダーがない」「日の光のもとでスクリーンが見難い」「フル・マニュアルコントロールだ」「手振れ防止がついていない」等などとニューヨーク・タイムズはかなり手厳しくこのカメラを評価している。プロカメラマンの横木安良夫氏はホームページで「敷居が高いけれど、銀塩カメラ並みの写真を撮ることができるカメラ」ともう少し好意的だ。

私個人としては8万円も出して、シグマのDP1を買うことはないと考えている。このカメラのメリットはコンパクトで一眼レフ並みの画質ということだが、一眼レフでもオリンパスのE420などのようにコンパクトなカメラがあるので、それを使う方がよさそうだ。オリンパス派の私だが、持っていない交換レンズに今年の春、出た25mmF2.8という単焦点レンズがある。パンケーキと呼ばれる薄いレンズで、これとE420などを組み合わせると軽快そうだ。

こう考えるとDP1はどのような人をターゲットにしたカメラなのか疑問がわいてくる。

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Heaven forbid (イディオム・シリーズ)

2008年07月25日 | 英語

Heaven forbidは「そんなことがおこらないように」とか「とんでもない」という意味だ。エコノミスト誌に次の文章が出ていた。Connoisseurs tend to flinch at the notion of drinking wine that comes in a plastic bottle or - heaven forbid- a box.

「通はプラスチックボトル又は~とんでもないことだが~ボックスに入ったワインを飲むという考え方に尻込みする傾向がある」

ワインのガラス瓶の重さはプラスチック容器の8倍である。地球温暖化ガスを削減する目的で、ワインボトルから軽い容器に変えようという動きが出ている。エコノミスト誌によるとアメリカのボイセットというワイン輸入業者が、フランスのフレンチ・ラビットという1リットルのテトラパックに入ったワインの販売を開始したということだ。フレンチ・ラビットは世界中で過去18ヶ月間に6百万ユニット販売されている。

私はフレンチ・ラビットを知らなかったが、インターネットで検索して見ると「楽天」などのネットショップで販売していた。ただし1リットルではなく、500mlパックだった。

持ち運びに便利なので、山に持って行くワインはこれに限るだろう。北アルプスに出かける前に良い情報を得ることができた。又家で飲む時も500mlでちょうど良いかもしれない。

なおエコノミスト誌は「高級ワインがボトルとコルク栓の伝統を離れるにはまだ1,2世代かかるだろう」と最後に書いていた。

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take into account(イディオム・シリーズ)

2008年07月25日 | 英語

Take ~ into accoutとは良く使われるイディオムである。意味は「意思決定や判断を行う時~を考慮に入れる」という意味だ。ニューヨーク・タイムズに次の文章が出ていた。

Even just driving 10 miles to the store can mean a few dollars. We think consumers are taking that into account.

「たった10マイル(16km)車を運転するだけで、数ドルのコストがかかる。我々は消費者がこのことを考慮に入れつつあると考える」

これは本などのオンライン販売を行っているアマゾンのCEOの最近の言葉だ。アマゾンの第2四半期決算は前年同期に較べて41%の増収、また利益はほとんど倍になった。アマゾンによるとガソリン高で消費者は、車を運転して本を買うよりもバーチャルな書店で本を買うことを選択したということだ。

ガソリン高でメリットを受ける企業があるという一例である。

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ゴールドマン、シニアローンファンドを組成

2008年07月24日 | 金融

昨日(23日)のファイナンシャルタイムズに「ゴールドマン・ザックスがLBOのシニアローンに投資する100億ドルのファンドを組成している」という記事が出ていた。ゴールドマンは既にメザニンデッドに投資する200億ドルのファンドを組成しているので、ゴールドマンはかなり大きなバイアウト案件にコミットする準備ができた訳だ。

それにしても投資銀行特にゴールドマン・ザックスというのは実にタフな連中だと思う。「転んでもただでは起きない」という言葉があるが、それどころではない。転んだら金を拾うという感覚かもしれない。

昨年終わったバイアウト・ブームの時は沢山のローンをまとめてCLO(Collateralised Loan Obligations)として投資家に販売していたが、クレジット・クランチの中でこの市場は崩壊した。

クレジット・クランチは悪いことばかりではない。信用市場がユルユルだった時はCovenant-liteという財務制限条項の緩いローンや、PikつまりPayment-in-kindという金利を元加するローンが流行した。ディールが借り手有利になっていたのだ。しかし今は貸手有利に振れてきている。目端の利いた投資家にはバイアウト案件がリスク・リターンのバランスから見て有利に見えるのだろう。

ゴールドマンはそこをついて投資家の資金を集めた訳だ。実に素早い連中であるとあらためて感心する次第だ。

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