金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

【白馬の夏】思い出の小蓮華を歩く

2008年08月11日 | 

10日日曜日白馬山荘の朝は早い。朝食は4時半開始だが4時前には食堂の前に列が出来ていた。我々も4時半過ぎには食事を終えご来光を見るために5分程頂上に向かって登った。

Goraikou_2

写真は丁度5時に撮ったもの。ご来光を完全に見るためにはもう少し早く出た方が良さそうだ。杓子と鑓の上には薄い雲がかかっていた。

Asayari_2

頂上には5時20分に到着。杓子や鑓も明るくなっている。

Asayari2_2

ここからは下山だ。小蓮華につながる稜線を見ていると色々な思い出がわいてきた。私は冬に白馬を登ったことはあるが、夏の白馬に登るのは今回が初めてだ。大学時代重いテントを白馬大池に担ぎ上げ、吹雪の中を白馬と杓子を往復したことを思い出す。あの頃の仲間や先輩の内数名とは年に1,2度酒を酌み交わすことはあるが、一緒に山に行くことは久しくない。いまだに山をふらついている私は成長がないのだろうか?

Mikaeri

振り返る白馬の頂上。小蓮華には悲しい思い出もある。それは銀行時代に後輩(直接は知らないが)が、お子さんを連れて白馬で遭難死したことだ。白馬から蓮華温泉に下る鉱山道というルートは沢を渡るところがあるが、そこで夕立に合い激流に飲み込まれてしまったのだ。この時は私も県警や消防の人達と捜索に出向いたが、ご遺体を発見することは出来なかった。遺留品からこう判断した次第である。白馬岳は優しい姿をしているが時として恐ろしい顔を見せることがある。

7時過ぎに小蓮華岳を越えて金山沢の上についた。

Hanatoyama

ここは数年前の5月にスキーで白馬尻まで滑り降りたところだ。一本の木もない真っ白い(といいたいが黄砂かスギ花粉で少し汚れていた)斜面に飛び込んでいく爽快さ。私は風にそよぐ高山植物を眺めながら、雪山のことを考えていた。

白馬の夏は人、人、人の群れだ。多くの人が山を愛し山に登ることは良いことだが、静寂を求めるならば、積雪期に登るしかないことも事実だ。

Ooike

8時10分白馬大池到着。

Ooike2

大池は華やいでいてリゾートっぽい雰囲気がある。ここから乗鞍岳へゆるい登りがある。乗鞍岳からは天狗原まで急な降りだ。最初に出てくる小さな雪渓は遊び心をくすぐる。

Norikura

その下のガレ場の降りは結構きつい。私達の仲間の内二人が転倒した。幸い怪我はなかったが、悪くすると怪我をするところだ。栂池から白馬岳を登るコースはアルプスでは易しいコースだが、乗鞍岳の登り降りは要注意だ。

10時40分頃栂池ビジターセンターに到着。ロープウエイ・ゴンドラと乗り継ぎ、栂池高原に下りて日帰り温泉に入り、午後1時半の長野行きのバスを待ちながらビールで乾杯を繰り返した。天候と仲間に恵まれた充実した山旅は終わった。白馬岳は私の中に新しい1ページを残してくれることになった。

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【白馬の夏】大雪渓

2008年08月11日 | 

8月8日金曜日午後10時30分新宿発の夜行バスで白馬に行く。今回は会社の仲間との登山だ。白馬大雪渓を登り、白馬山荘に泊まり翌日白馬大池から栂池に降りる代表的な白馬登山コースだ。夜行バスは談合坂SA、諏訪SAと泊まるので眠りが細切れになる。四捨五入して60歳の身には少し辛い移動方法だ。9日予定よりも早く午前5時半頃白馬到着。

白馬駅前でアイゼンを借りる人は借り(4本爪で千円)、おにぎりを買う人は買った。おにぎりは400円。白馬駅から猿倉まではバスとタクシーに別れて行く(名古屋から参加した人の関係で)。タクシーも4人で乗るとバス料金と変わらない(一人900円)。

猿倉でおにぎりをかじって7時少し前に出発。7時55分に白馬尻到着。20分程歩いて大雪渓に到着。ここでアイゼン装着。「この程度の傾斜であればアイゼンはいらないな」とは思ったが、持ってきた6本爪を使うことにした。6本爪アイゼンは数年前に買ったが使ったことがなかった。何故なら本格的にアイゼンが必要な場合には12本爪を使うし、それ以下の場合はビブラム底で歩けるからだ。それ位のバランスと歩行技術は持っている。しかし「格好」をつけて疲れても馬鹿みたいだから私もアイゼンを装着した。実際アイゼンを着けると何も考えずに歩けるので楽だ。

白馬大雪渓は写真のとおり人、人、人の行列。今朝(11日月曜日)の新聞によると私達が登った翌日に白馬大雪渓で落石事故があり、一人死者が出たとのこと。雪渓のところどころに散在する岩石は落石の証拠だ。

Daisekkei2

Daisekkei3

落石の危険性が高いのは中間部では左の杓子岳側の斜面だろう。ここでは左に寄り過ぎないで雪渓の中央部を歩くことが肝心だ。次に危険性が高いのは雪渓の終点地点だ。ここは白馬側からの落石が危険だ。大雪渓の終点は写真の右端辺りだ。10時25分頃大雪渓終点到着。大雪渓を2時間で登ったことになる。Kooniyuri

ところがここからしばらくが大渋滞。雪渓の切れたところからガレ場を横断する急斜面が続く。ここは人為的な落石の可能性が高いところだ。ひとの混み具合はラッシュ時のターミナル並み。ところどころに咲く高山植物の写真を撮りながらゆっくり登る。写真はコオニユリだ。

Koya

それにしても猛烈な暑さだ。救いは時々出会う沢の冷たい水。冷たい水に救われながら、お花畑と呼ばれる高山植物群生地に到着。ここからは村営の頂上小屋が見える。ようやくゴールが近くなった。

Shakusi

午後1時10分ようやく村営の頂上小屋到着。小屋の名前は頂上だが頂上はもう少し遠い。写真は村営小屋から見た杓子(左)と白馬鑓ケ岳。

Natugumo

夏雲沸く頂上小屋から見た白馬山荘。ここが本日の宿だ。手前の白トビした部分は雪渓。

1時45分頃今晩泊まる白馬山荘に到着。荷物を部屋に入れて頂上アタック。2時25分頂上到着。

Sannchou1

写真は白馬鑓ケ岳をバックにした頂上の一部だ。

Choujyou2_2

写真は頂上の絶壁から大雪渓(右手)を見たものだ。中央の岩の部分が白馬主稜なのだろう。ここは積雪期には人気の高いルートだ。このルートの初登攀者は私の先輩の神戸大学山岳部の人達である。昭和5年の話なので文献上の知識でしかないが。

この日は寝不足と暑さで本当に疲れた。小屋に帰って布団にもぐり夕飯まで寝てしまい、夕飯も軽く済まして又寝てしまう始末。夜行バスの旅はきつかった。

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アメリカの小売業、ソーラー発電へ

2008年08月11日 | 社会・経済

先週末北アルプスの白馬岳に登ってきた。山の日差しはきつく腕が真っ赤になり、痛くて風呂につけられなくなった。太陽の熱は本当に強いものだ。

この太陽熱を大きなスケールで電気に変えようというプロジェクトがアメリカで進んでいる。ニューヨーク・タイムズ(NT)によると、ウオール・マート、セーフウエイ、ホールフーズマーケットのような巨大小売業が、店舗の屋根に発電用ソーラーパネルを設置することに躍起になっている。これは今年の12月末日でソーラーパネル設置に関する税金の優遇措置が一旦切れるためだ。

ソーラーの発電コストは1キロワット時(1キロワットの電力を1時間消費する電力量、1キロワットというとヘアドライヤーの消費電力)あたりベストケースで25セントから30セントだ。これは石炭による発電コストの6セントや天然ガスに発電コストの9セントに較べるとかなり高い。

しかし小売業者達は長い眼で見ると、火力発電による電力コストが上がっていくので、ソーラー発電はペイする見ている。

NTは「アナリスト達はソーラー発電でどれ位の電力を賄えるか確信は持てない。立地条件や天候に左右されるが、ソーラー発電で店舗が必要とする電力の1割から4割程度を賄えると見ている」と報じている。

アメリカの小売店の屋根というのは広い。もしウオールマートの全店舗にソーラーを設置するとするとその面積はマンハッタンの広さに匹敵するという。

将来電気自動車が本格的に普及すると、ウオールマートに電気自動車で出かけて、買い物をしている間に車に充電をする・・・ということが起きるかもしれない。

因みにこれらの店にソーラーパネルを提供しているのは、ボストンのSpire Corporationという会社で株価はピークの25ドルの半分程度になっているが、アナリストはそろって「買い」推奨していた。

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