今日のニューヨーク・タイムズに「ロシアのプチン首相がアメリカ政府は特定の大統領候補を利するため、グルジア紛争に関して挑発行為を行っているとCNNの記者会見で述べた」という記事があった。プチン首相は特定候補の名前を明かさなかったが、それが共和党のマケイン候補を指すことは明らかである。「アメリカ政府は国民の危機感を煽ることで共和党のマケインの支持率を高めようとしている」というのが、プチン首相の主張だがその根拠は薄いとNTは述べている。
ロシアはマケインが大嫌いなのだ。何故なら彼はグルジアのサーカシビリ大統領と親しい関係にあり、制裁のためロシアをG8から追い出してしまえと言っているからだ。
サーカシビリはキエフ大学を卒業した後、アメリカのコロンビア大学とジョージ・ワシントン大学で法学を修め後者から博士号を得ている。このような個人的背景もあり彼は親米的だ。そしてグルジアはイラク派兵で最も米国に協力的な国の一つだ。
余談だがサーカシビリとマケインがどれ位親しいか?と思い、検索エンジンにSaakashivili & Maccainと入力して検索して見ると、色々な記事が出てきた。中にはマケインが2006年に派遣団の一員としてグルジアを訪問した時に一緒に黒海でジェット・スキーを楽しんだという記事もあった。ただし信憑性のほどは定かでない。
国家と国家の利権を争う方法には戦争と外交がある。戦争とは血を流す外交であり、外交とは血を流さない戦争であると言われるゆえんだ。更にその間に諜報・謀略活動を入れよう。相手の国民に揺さぶりをかけて厭戦気分を高めたり、好ましからざる人物が政権の座に着くのを阻もうとするのが、諜報・謀略活動だ。
さてプチンは米国政府を牽制するために上記のような発言をしたが、マケインはどう反応するだろうか?ロシアの謀略を逆手にとって、米国民の支持を高めることができるのだろうか? これを見ていると下手な小説よりはるかに面白い。