金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

【書評】地球最後のオイルショック

2008年08月24日 | 本と雑誌

「地球最後のオイルショック」(新潮選書 デイヴィッド・ストローン著 高遠裕子訳 1,500円)は、石油の枯渇についてジャーナリストである著者が170人を越える専門家にインタビューを行ってまとめたものだ。この本が日本で発刊されたのは今年5月のことだが、原書は2006年11月に出版された。著者はインタービューに1年半をかけているから、著者は原油価格が今日ほど上昇する前に「原油生産が近未来にピークに達し、その後減少に転じる」というピーク・オイル説に確信を持っていたと考えれられる。

300ページを越えるこの本は重要な二つのメッセージを我々に与える。一つは地球上の原油の究極埋蔵量の半分が消費される時点である。著者は各国政府や大手石油会社の推論や観測を慎重に分析しながら、2020年頃がオイル生産のピーク、すなわち埋蔵量の半分が消費された時点になることを示唆している。

次に筆者は各国の政治指導者は「ラストオイルショック」に適切な行動をとることができないだろうから、われわれ自身が日々の生活の中で、ラストオイルショックに備える必要があると述べる。具体的には「石油と天然ガスへの依存度を低くする」「ライフスタイルの転換を今から始める」「交通手段からライフスタイルを見直す」ということだ。

悲観的な話は面白くない。しかし「後10年か15年で地球に存在したオイルの半分を我々は費消した。その先は生産量は減少の一途をたどる」という面白くない事実を認めて行動する日が遠くないことをこの本は示唆する。まじめに近未来を考えるなら是非読むべき一冊である。

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小雨の中の舟遊び

2008年08月24日 | まち歩き

8月23日土曜日薄曇で秋口並みの涼しい天気の中、1ヶ月以上も前から予約していた「江戸東京の川再発見・舟遊イベント」にワイフと出かける。日本銀行に近い常盤橋の防災船着場から出発し、日本橋川・神田川・隅田川と回り、小名木川を少したどってユーターン、隅田川から日本橋川に戻ってくる約2時間のコースだ。船は釣り船で、一艘に30名前後の人が乗る。全体で6艘以上の船が出ていたようだから200人位の人が参加したイベントだった。ちなみに乗船代は一人3,000円だ。

Tokiwabashi

10時写真の常盤橋を出発。貰った案内書によると、この橋は都内に残る唯一の貴重な石橋ということだ。出発してからしばらくは高速道路の下を進んでいく。JR中央線をくぐると神田川に入る。ここからは川が少し広くなり景色が広がる。小雨が降ってきた。

Yakatabune

浅草橋付近では屋形船が沢山並んでいる。柳橋をくぐると隅田川だ。広い。しばらく行くと左側から小名木川が入ってくる。

Bashou

小名木川の入り口には芭蕉史跡公園があり、芭蕉像が座っている。当時芭蕉が隠棲した辺りはまことに風光明媚なところだったが、今はマンションやビルが建ちなんでいる。

Kiyosubasi

写真は清洲橋だ。ドイツのケルン市のつり橋をモデルに昭和3年に架けられた橋だ。清洲という名前は深川清澄町と日本橋中洲町から一字ずつ取っている。

Eitaibashi

永代橋と構造住宅。無国籍な風景だ。

最後の写真は日本橋の欄干だ。

Nihonnbshi

東京の川を辿ると江戸時代の人が随分水運に頼っていたことが良く分かる。商業は水運とともに発達した。今から数十年後、もし石油は枯渇するか枯渇しないまでもかなり貴重な資源になると私は予想している。車を自由に走らせる時代ではなくなるかもしれない。そうすると輸送力のある水運~何をエネルギー源にするのかという問題はあるが~が、もっと見直されるのではないか・・・などと考えながら私は短い舟遊びを終えた。

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