自動車メーカーがオートリースで大損をしたので、リース業務の大幅縮小を考えている。もっとも米国の話だが。
ニューヨーク・タイムズによると、GM系列の金融会社GMACのオートリースに関わる損失は716百万ドルに拡大している。その背景はガソリン高で、燃費の悪いピックアップ・トラックやSUVが敬遠され、これらの中古車価格が急落しているからだ。
過去10年間、自動車メーカーはオートリースへの依存度を高めてきた。自動車の中古価格が堅調に推移していたので、自動車メーカーは消費者が毎月の支払い金額が少なくて済む2-3年の自動車リースで車を売ってきた。リース終了時にメーカー(あるいはリース車両の貸し手)は、古い車を引き取る。そしてこれを中古市場で売却する。ユーザとの間で中古車の引き取り価格は最初に決められているから、中古車価格が下落しているとメーカーは損をする。
GMACのHull氏によると中古車価格は、想定した価格(残価)の75%まで下落しているという。
リースが米国の自動車販売の有力な手段であっただけに、メーカーがリースを止めたり、大幅に縮小すると車がますます売れなくなるとディーラーは頭を抱えているとニューヨーク・タイムズは報じている。
日本では個人の自動車リースはそれ程多くないし、燃費の悪い車をリースでガンガン売っていた訳でもないので、同様のことが起きるとは考えにくい。しかしガソリン価格の高騰が車の中古価値に大きな影響を及ぼすということは、消費者としても次の車を買ったり、リースする場合考慮するべきことだろう。