金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

白馬岳、怖いガレ場の事故

2008年08月20日 | 

新聞によると8月19日北アルプス白馬岳の大雪渓上部で土砂崩れがあり、30代の男性ガイドと60代の女性登山客が行方不明になっている。白馬大雪渓というと10日程前に登ったところだから印象が強い。

白馬大雪渓の最上部では左岸(上流から見て右左という。従って下から見ると右側)からガレ場に登る。ここは急な斜面でその上で水が流れる崩れ易い沢を横断する。私の推測だが、土砂崩れはここで発生したと思われる。

我々が登った時はここで大渋滞が起こり、ラッシュ時のターミナル駅のような状態になっていた。「万一こんな状態のところに落石でも降ってくれば逃げ場がないなぁ」と私は感じていた。

今回の土砂崩れが何故起こったのか?という直接の原因は分からない。雨で地盤が緩み土砂崩れが発生しやすくなっていたところへ何らかのショックがかかり土砂崩れが発生したと推測されるが推測の域を出るものではない。

ただ白馬大雪渓上部のガレ場事故には人為的な要素があると考えている。それは余りにも多くのの登山者が通るため、道が荒れるということだ。人が通ると植生が痛み、植生が痛むと地面が崩壊しやすくなる。又人が通ると地面に窪みができ、窪みの上を雨水が流れると窪みが拡大して地面の崩壊が起きる。

このような事態は人が沢山登る山、特に百名山では頻発していることだ。登山者数が自然の回復力を超える程に増えているのだ。このような事態を避けるためには、入山者数を制限するようなことを考えなければならないかもしれない。

又登山者も混み合う時期に有名な山に殺到することを避ける必要があるだろう。例えば白馬岳の周りにも雪倉岳や朝日岳のようなゆったりした山がある。白馬のような大雪渓はないが、美しい高山植物と人の少ない登山道が待っている。

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Take charge (イディオム・シリーズ)

2008年08月20日 | 英語

Take chargeは「組織や状況をコントロールする」という意味だ。パキスタンの混乱に関してファイナンシャル・タイムズに次の文章が出ていた。

There is a lot of pressure building up on Pakistan to take full charge of the ISI. Rightly or wrongly, people from the outside think the ISI is the source of all their ploblems.

意味は「ISI(パキスタンの諜報機関)を完全にコントロールせよという圧力がパキスタン(政府)に積みあがっている。正しいにせよ間違っているにせよ、パキスタン外の人はISIが総ての問題の源だと考えている」

ISI:インターサービス・インテリジェンスはパキスタンの諜報機関で、強力な力を持っている。影でターリバーンを支援していると言われており、最近米国はその証拠をパキスタン政府に突きつけている。

諜報活動は、情報活動にせよスパイ活動にせよ、軍事活動の底辺をなすきわめて重要なものだ。孫子は用間編(間とは間者の間でスパイのこと)の中で「三軍の将の仕事の中でスパイとの関係ほど緊密さが求められるものはない」と諜報活動の重要性を説く。そして「非聖知不能用間」(聖知にあらざれば、間を用いることあたわず)と言う。つまり神のごとき周到さを持っていないとスパイを使いこなすことはできないということだ。

諜報機関あるいは諜報機関を支配下に置いた独裁者が国を破滅の危機に陥れることは多い。今のパキスタンはまさにこの状況である。

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