金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

洗濯機に来年革命が起きる?

2008年06月24日 | うんちく・小ネタ

少し前に10年程使っていた洗濯機が不調になったので、パナソニックのドラム式に買い換えた。買い換える時に洗濯機のサイズが昔に較べて随分大きくなっているので閉口した。我が家は豪邸とは言えないまでも、注文建築でそれなりのスペースは確保しているのだが建てたのは20年前である。20年の間に日本人の暮らし振りは贅沢になって、洗面台や洗濯機などが大きくなり、場所を取り合うようになった。ヨドバシカメラでドラム式洗濯機を買おうと思ったが、前の洗濯機のあった場所に納まってくれるかどうか不安になった。そこでやむなく近くのパナソニックチェーン店(パナピット)に下見に来て貰った。パナピットは量販店に較べると1割以上高いが、我が家のサイズに合うドラム式を見つけてくれた。それは一つ前のモデルだった。

斜めドラム式の洗濯機が何故良いのかというと節水効果が高く、洗濯物の出し入れが便利という点にあるらしい。だが古いタイプの洗濯機より10万円高いとすれば、節水効果は経済的に意味があるのかどうか疑問だ。洗濯機を10年使うとして、年間1万円の節水効果がないとペイしないが、果たしてそれ程節水するものだろうか?

ところで節水というと英国のリーズ大学からスピンアウトした連中が、Xerosというベンチャー企業を作り、ほとんど水を使わない洗濯機を開発中という記事をFTで見た。水を使わない替わりに何を使うかというと、プラスチックのチップを使う。プラスチックのチップに洗濯物の汚れを吸収させるというのだ。水はコップ一杯で済むそうだ。洗濯に水を使わなくて済むと、乾燥させる熱源も不要になり、省エネ効果は高い。記事によると来年には製品化されるという。

洗濯機を買い換えようと考えている人は、ひょっとすると近い将来超節水型の洗濯機が発売される可能性がある・・・ということを頭の隅に入れておいても良いかもしれない。

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Turn the tables (イディオム・シリーズ)

2008年06月24日 | 英語

ファイナンシャルタイムズ(FT)に、大和SMBCがロンドンとアジアでデリバティブのビジネスを拡大するという記事が出ていた。その時のタイトルがDaiwa turns the tables with derivatives foreyという文章だ。Turn the tablesは「主客を転倒させる」「形成を一変させる」という意味で、主に不利な立場にいた者が、有利な立場に立つ場合に使われる。Tablesはテーブルの上で遊ぶゲーム、バックギャモンなどを指す。バックギャモンではゲーム盤の向きを反対にすることがあり、ここからTurn the tablesという言葉が来ている。この言葉が最初に使われたのは17世紀なので、バックギャモンといっても現在のバックギャモンではなく、双六(すごろく)のようなものだった。

引用した文章は「大和(SMBC)はデリバティブ市場に侵略することで、形勢逆転をしている」ということだ。Forayには「侵略・急襲」という意味の他、「慣れないことに手を出す」という意味もある。FTは両方の意味で使っているのだろうか?

記事の背景を少し説明すると、サブプライム問題で競争相手である英米の銀行が弱っている機会を捉えて、大和SMBCが外銀から上級社員を雇い入れ、デリバティブ部門を強化しているということだ。これは10年前邦銀が不良債権問題で苦戦していた時に、英米の銀行にやられたことの裏返し。まさにTurn the tablesである。

しかし本当に形勢逆転・主客転倒という程、邦銀がプレゼンスを出せるかどうかはこれからの頑張り次第だろう。

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Canaries in the mine(イディオム・シリーズ)

2008年06月24日 | 英語

Canaries in the mineは日本語でいうと「炭鉱のカナリア」である。カナリアという鳥は一酸化炭素など有毒ガスに人間よりも敏感に反応するので、炭鉱夫が入坑する時に籠に入れたカナリアを持って入り、カナリアの反応を見て有毒ガスを検知した。因みにオウム真理教の上九一色村の拠点に警察が強制捜査を行った時も毒ガスを検知するため、カナリアを持って行ったという。このことからCanaries in the mineは「自らを犠牲にしながらリスクを検知するもの」という意味で使われる。

最近読んだファイナンシャルタイムズにShort-sellers are often the canaries in the mine. という文章が出ていた。「ショート・セラー(株式を空売りするもの)は、しばしば炭鉱のカナリアのようにリスク検知の先駆けをする」という意味だ。この文章の後には「(不正経理が元で破綻した)米国のエンロン社とタイコ社をショート・セラーは、問題が明らかになるはるか前から空売りしていた」という文章が続く。

一般的にいうとショート・セラーは、対象とする会社についてよく研究して、問題点を見つけ、その会社が将来悪くなり株価が下落すると見極めてから、株を借りてその株を市場で売却する。そして思惑通りその株が下落したところで、市場で株を買い戻し、株の貸手に株を返却する。利益は値下がり幅から株を借りるコストを引いたものだ。

ところでFTはどうして、彼等のことを炭鉱のカナリアと言ったのだろうか?それはショート・セラーは、社会や一般の投資家に空売りする会社に問題があるという警鐘を鳴らす。しかしショート・セラーが必ずしも十分な利益を上げることができるとは限らないからである。

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