金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

Play havoc with (イディオム・シリーズ)

2008年06月19日 | 英語

Havocとは「大混乱」「(天災・暴動などによる)大破壊」を意味する。ファイナンシャル・タイムズにInflation is playing havoc with the rest of the economyという文章があった。「インフレは残りの経済に大きなダメージを与える」と言う意味だ。残りとは何かというと前にオイルとコモディティ(穀物・鉱産物など)以外ということ。

Havocが持つ「混乱」から「破壊」の幅はかなりあるようだ。Dictionary.comというオンライン英々辞書には、The wind played havoc with the papers on the desk.という例文があった。「これは風で机の上の書類が飛び散った」ということで「混乱」という程度のニュアンスだろう。

又The bad weather played havoc with our vacation plans.という文例も出ていた。こちらは「悪天候で我々の休暇プランは台無しになった」というニュアンスでかなりシリアスな状態だ。

さて今回のインフレが我々に与えるHavocの程度はどれ位だろうか?混乱程度で済むのか?あるいは経済の大破壊にまで至るのだろうか?当該記事を書いた人のニュアンスを理解するのは大変だ。あるいはワザと幅のある表現を使ったのだろうか?

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機関投資家、キャッシュポジションを増やす

2008年06月19日 | 株式

ファイナンシャルタイムズ(FT)は、メリルリンチが世界の204の資産運用会社に調査をかけた結果を報じている。それによると機関投資家達は過去10年間で最も悲観的になっている。ネガティブなセンチメントの度合いは、現在よりも激しい株価下落を見た2000年から2003年のベアマーケットを上回っている。

5月の高値以来FTSE100はほぼ10%近く下落している。投資家はスタグフレーションの懸念から株式・債券双方のエクスポージャーを落としている。調査対象のファンドマネージャーの27%は株式をアンダーウエイトし、42%はキャッシュをオーバーウエイトしている。

81%の回答者は向こう1年間の企業収益に関するコンセンサス(予想平均)は高過ぎると判断している。

メリルのチーフエコノミストは「投資家達はオイルとコモディティが株式市場で主役を演じると考えている。これはインフレが経済を混乱させ困難に陥らせることを示している。

ユーロ株式はこの1年間で最も投資家が好んだセクターから、最も回避するセクターに変わった。これはユーロ高に対する懸念が原因。

62%の回答者はオイル・ガス業界をオーバーウエイトし、62%は銀行セクターをアンダーウエイトしている。

☆     ☆      ☆       ☆

「戦略的な誤りを局地戦で挽回することは出来ない」というのが、戦争と投資の基本である。株というものは、企業業績がだけで値上がりするものではない。投資家が買ってこそ値上がりするものだ。

ここ暫くはグローバル株式相場は重たいだろう。しかし機関投資家のセンチメントはコロコロ変わる。機関投資家とは本来キャッシュポジションに資金を遊ばせることが出来ないものなので、原油の増産目処が立ち、価格が下落し始めると急速に株式に資金がシフトする可能性は高い。それが何時かを予想できると勝ちまくるのだが、そうは行かないところが、悩ましくもあり又面白いということだろう。

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