金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

経産省、外資歓迎に転換?

2008年06月26日 | 社会・経済

経済産業省といえば、英国の投資ファンド・チルドレンがJパワーの株式を20%まで買い増しをしようとした時、国家の安全を理由に反対した。では経産省は外資が日本の会社に入ることをブロックしようとしているか?というとそうではなく、外資を歓迎するべく動いているとFTは報じている。

経産省の小宮 義則 産業資金課長は「外国のファンドを呼び込むことは『正式な政策』だ。日本の産業の競争力を高めるためには投資ファンドが必要だ」と言っている。

経産省は米国のアクティビスト・ファンド・スチール・パートナーズが10%以上の株式を所有する15の会社を分析した。それによるとファンドが投資した2年後を見ると、15社の内13社の株価が取得価格より上昇していた。またROAは、15社中10社で向上していた。

この事実より経産省は「ヘッジファンドであれ、バイアウトファンドであれ、ファンドはリスク資本を提供するだけでなく、金融スキルや情報を持ち込むので、産業発展のために必要なものだと結論付けた」とFTは報じている。

経産省は経済省と非公式に外国ファンドを優遇するべく税制改正を行なう相談を始めている。

☆     ☆     ☆

この話を投資に活かすならば、スチールなどのファンドが投資している銘柄に投資する手はある。スチールの保有銘柄は彼等のホームページ(日本語)などで調べることができる。アクティビストの調査力を借用するということだ。

それにしても、沢山の優秀な人材が日本にはゴロゴロしていると思うが、ワザワザ外国ファンドに教えてもらわないといけないことがそんなに多いのだろうか?

どこかおかしな話である。

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アイフルの懸念高まる

2008年06月26日 | 金融

今日(6月26日)日経新聞朝刊は「アイフル・武富士が上場来安値」と報じている。このところアイフルの株価は下げ続いている。特に昨日は一昨日リーマンブラザースが「アイフルの親会社は支払不能状態に陥っている可能性がある」と報じたことを受け、165円下落した。

私はリーマンのレポートを読んでいないが、ファイナンシャルタイムズは「アイフルは6つの事業の内2つを清算する計画なので、減収の可能性大。アイフルが収益予想に使っている予定貸出金利は上限金利を超えている。3月末に2兆7千億円あった貸付金は2兆円に激減している。アイフルが融資している住宅担保ローンの半分はノンパフォーミングである」というリーマンのレポートを報じている。

なおFTは最後に「アイフルが支払い不能だというのは少し話を単純化し過ぎている」という米国のヘッジファンドのアナリストの意見を伝えている。

アイフルが今支払不能状況かどうか私は知らないが、このようなレポートが出ると、社債償還資金の調達等が厳しくなることは間違いない。

ノンバンクには厳しい時期が続く。

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Lose one's shirt (イディオム・シリーズ)

2008年06月26日 | 英語

この前私の「イディオム・シリーズ」について「有難くおもしろい」というお褒めのコメントを頂いたので、大変気を良くしています。今後もその時々のトピックを絡めながら、英語の慣用句を紹介したいと思います。

さて今日のイディオムはLose one's shirtだ。直訳は「シャツを失う」ということだが、意味は「大損をする」「無一文になる」ということだ。つまり「シャツでさえ失ってしまう」ことから無一文になるという俗語が生まれた。

ニューヨーク・タイムズにWe would sell if we could , but we would lose our shirtという文章が出ていた。「我々は売ることが出来たなら、売っただろう。しかし(売ることができないので)我々は大損をするだろう」という意味だ。何を売りたいと思っても売れないのか?というとアメリカの郊外の住宅である。

ガソリンや暖房用燃料が急騰しているので、多くのアメリカの地域で人々は郊外の大きな家を敬遠し、交通費や冷暖房費が少なくて済む都市部の小さな家を選び始めている。この結果アトランタ、フィラデルフィア、サンフランシスコなどの大都市圏では、郊外の住宅価格は都市部の住宅価格より下落度合いが大きい。アメリカン・ドリームとは郊外の広い家に住み、大きな車に乗ってドライブを楽しむというものだが、原油高がアメリカン・ドリームを根底から覆すかもしれない。

Shirtについては、Keep one's shirt onというイディオムもある。こちらは「短気を起こさない。怒らない」という意味だ。インターネット辞書にはTell him to keep on his shirt on until we're readyという文例が出ていた。「我々の準備ができるまでいらいらするな」という程度の意味だろう。

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