金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

辞めるなら早い方が良いでしょう。菅首相殿

2011年06月02日 | ニュース

昼休みにNHKで民主党の代議士会で菅首相の演説を聞いていた。「震災復興と福島原発の収束に目処を付けたら責任を若い世代に引き継ぐ」という発言主旨だった。午前中に国民新党と亀井氏や民主党の鳩山前首相と会談を持った時「辞任の示唆しないと不信任案が可決される可能性が高い」とでも脅かされたのだろう(これは私の推測)。

菅首相の演説の直後に鳩山前首相は「辞めるタイミングは復興基本法の成立と二次補正予算に目処(成立ではなく)がたったところでと合意した」と述べたが、菅首相のレスポンスはなし。

菅首相の「復興と原発収束に目処がたったら」というのはかなりvague(あいまいな)話。原発収束については工程表そのものが信頼できないから、いつ目処が立つのか見当がつかない。

「復興に目処をつけたい」という首相の思いは分からないではないが、政治的課題は東日本大震災の復興だけではない。例えば普天間基地移転問題がある。TPP参加問題などの外交問題もある。またいつ何時隣国の領海侵犯のような重要事件が起きるかもしれない。

特にLame duck(死に体)化したところを狙って、クセ玉を投げてくる連中がいないとも限らない。

国内でも財政赤字問題や社会保障問題もいつまでも放置できない問題は山積みだ。

お辞めになると決めたのであれば、今後の体制~たとえばnoutoriさんからコメントを頂いていたような小泉内閣の経済財政諮問会議のような~に道筋をつけて、早めに辞める方が良いのではないでしょうか?

「いつかはっきりしないが、そう遠からず辞める」というのでは、国民も外国の親密国も頼りにできないと思うのですが、どういうものでしょうか?

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内閣不信任案、経路は違っても結果は同じか?

2011年06月02日 | ニュース

世の中には「経路を予想することは不可能だが結果は予測できる」ということが多い。例えばデコボコした斜面でボールを転がす時、ボールがどの経路をたどるか?ということは予想不可能だ。だがボールが坂の下に落ちる(途中で引っかかることがない程度に平滑な斜面として)は予測できる。

本日(6月2日)午後衆院本会議で採決される内閣不信任決議案も同様なものだろう。不信任案が可決されるには、民主党から80名位が賛成に回ることが必要だが、マスコミの票読みでは70名程度が賛成に回る可能性がある。今日の午前中は両陣営の色々な工作があるからどう転ぶか分からない。

私は不信任案は否決される可能性が高いのではないか?と推測しているが、可決されるか?否決されるか?は中期的に見ると余り変わらないのではないか?と考えている。つまり経路は読めないけれど、結果は同じということだ。

今後の動きについて予想されるケース分は、「不信任案が否決される」「不信任案が可決され内閣総辞職」「不信任案が可決され、総選挙」である(菅首相は総選挙を主張しているので総選挙か?)。

「不信任案が否決」されても、大量の造反組に除名を含む厳しい処分が降るので、小沢一派は離党し、菅内閣の求心力は低下する。法案の可決は進まず、2,3ヶ月で総辞職に追い込まれる。分裂後の民主党が安定した政権運営を目指すには、自民党との連立しかない。

「総選挙」になる場合も、菅民主党は大量に議席を失うと予想されるから、やはり菅内閣が終わることに変わりはない。しかし自民党も安定多数を確保できないだろうから、連立型の内閣が模索される。

「内閣不信任案」の結果は、どちらにころんでも、連立内閣へのプロセス。その過程で「民主党マニフェストへの固執」を主張する小沢派がはじき出され、指導力のない菅首相が辞める。

ではだれが連立内閣の首班になるのだろう。「信なくんば立たず」と菅首相を攻撃した谷垣総裁も信頼度は低い。今この国の命運を託すことができる人物がいるのだろうか?

それにしてもどこかで「でこぼこの斜面にボールを転がす」ような政治体制は改めるべきではないか?

国民が「信頼できる」政治家を選ぶには公選しかないだろう。「信頼できる」人を時間をかけて選び、一定期間はその人に委ねる・・・ということを考えないと、いつまでもボール転がしの繰り返しである。

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