昨日(6月14日)S&Pはギリシアの格付を3ノッチ引き下げCCCとした。CCCの下はCC,C、D(デフォルト)なので、下から数えて4番目だ。しかし現在CCC以下の国家格付はなく、ギリシアの格付はソブリン格付としては世界で一番低い。エクアドル、ジャマイカ、パキスタンよりも低い。
CCCの格付のクレジットがデフォルトに陥る可能性はどれ位か?ということを調べてみた。ネットでざっと見ただけなので、最新の情報ではないが、少し前にS&Pは「CCCの債券の5年間の累積デフォルト率を50%」と発表していた。
S&Pは「我々の見解では、ギリシアの債務は我々の基準ではデフォルトとなるリストラを行なう可能性が高まっている」と述べている。何らかの返済猶予が行なわれる可能性が高いということだ。
ギリシア10年国債の利回りは17%以上に跳ね上がった。これは今年2回目のことだ。
ただしS&Pはギリシア国債を持っている投資家のリカバリー率(回収率)は30%-50%はあるだろうと述べている。
ギリシア国債をディスカウントで買おうという投機的な投資家は次のようなソロバン勘定をするのだろう。仮にギリシア国債が3年でデフォルトを起こす可能性が50%とし、デフォルトした時の回収率を50%とすると、確率的には投資家は100の投下元本に対して75しか回収できないことになる。ただし毎年17%の配当を受け取れるとすると3年で51の配当を受け取れることになるから、元本を25毀損してもなお26(=51-25)の儲けがある・・・・
一方既にギリシア国債を抱えている投資家、特に民間の金融機関などにとってギリシア国債のデフォルトは大変な痛手だが、デフォルトはもはや不可避と見るべきなのかもしれない。いつ起きるかは分からないが。